カナダ中銀、従来の引き締め的金利必要ないと判断=議事要旨
カナダ銀行(中央銀行)が11月5日公表した10月23日の前回会合議事要旨によると、出席者らはインフレ圧力が低下し続けることを確信し、政策金利がそれほど引き締め的である必要はないと考えていたことが明らかになった。写真はマックレム総裁。10月29日、オタワで撮影(2024年 ロイター/Blair Gable)
[オタワ 5日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)が5日公表した10月23日の前回会合議事要旨によると、出席者らはインフレ圧力が低下し続けることを確信し、政策金利がそれほど引き締め的である必要はないと考えていたことが明らかになった。
中銀はこの会合で政策金利を0.50%ポイント引き下げて3.75%とすることを決定。利下げはインフレとの戦いにほぼ勝利したと宣言してから4会合連続となり、0.50%ポイントもの利下げを決めたのはコロナ禍に対応した2020年3月以来、約4年7カ月ぶりとなった。
議事要旨によると、出席者らは利下げ幅を0.25%ポイントにとどめる場合の利点について議論したものの、より大きな一歩を踏み出すことに強い共感を得られたと説明。「メンバーらは7月以降の経済データを考慮すると、より大きな措置が適切であることを伝えたかった」と指摘した。
出席者の間では、より大きな利下げを決めれば、多くの人が経済に問題が起きている兆候だと解釈し、この規模の追加利下げを期待したり、政策金利が将来的に非常に緩和的になる必要があると想定されたりすることへの懸念も生まれた。
それでも出席者らは「労働市場の軟化が続いていることや、過剰供給を吸収するためにより力強い経済成長が必要なのを考慮すると、より大きな措置が適切であると考えた」と解説した。
カナダのインフレ率は今年9月に前年同月比1.6%まで鈍化し、中銀が定めた目標レンジ(1―3%)の中間を下回った。
一方、8月の国内総生産(GDP)が失速したため、24年第3・四半期のインフレ率は中銀の修正見通しの1.5%に届かないと予想されている。