ニュース速報
ビジネス

カナダ中銀、従来の引き締め的金利必要ないと判断=議事要旨

2024年11月06日(水)08時07分

 カナダ銀行(中央銀行)が11月5日公表した10月23日の前回会合議事要旨によると、出席者らはインフレ圧力が低下し続けることを確信し、政策金利がそれほど引き締め的である必要はないと考えていたことが明らかになった。写真はマックレム総裁。10月29日、オタワで撮影(2024年 ロイター/Blair Gable)

[オタワ 5日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)が5日公表した10月23日の前回会合議事要旨によると、出席者らはインフレ圧力が低下し続けることを確信し、政策金利がそれほど引き締め的である必要はないと考えていたことが明らかになった。

中銀はこの会合で政策金利を0.50%ポイント引き下げて3.75%とすることを決定。利下げはインフレとの戦いにほぼ勝利したと宣言してから4会合連続となり、0.50%ポイントもの利下げを決めたのはコロナ禍に対応した2020年3月以来、約4年7カ月ぶりとなった。

議事要旨によると、出席者らは利下げ幅を0.25%ポイントにとどめる場合の利点について議論したものの、より大きな一歩を踏み出すことに強い共感を得られたと説明。「メンバーらは7月以降の経済データを考慮すると、より大きな措置が適切であることを伝えたかった」と指摘した。

出席者の間では、より大きな利下げを決めれば、多くの人が経済に問題が起きている兆候だと解釈し、この規模の追加利下げを期待したり、政策金利が将来的に非常に緩和的になる必要があると想定されたりすることへの懸念も生まれた。

それでも出席者らは「労働市場の軟化が続いていることや、過剰供給を吸収するためにより力強い経済成長が必要なのを考慮すると、より大きな措置が適切であると考えた」と解説した。

カナダのインフレ率は今年9月に前年同月比1.6%まで鈍化し、中銀が定めた目標レンジ(1―3%)の中間を下回った。

一方、8月の国内総生産(GDP)が失速したため、24年第3・四半期のインフレ率は中銀の修正見通しの1.5%に届かないと予想されている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏勝利なら、関税通じ英経済に大打撃=英シン

ビジネス

米航空機部品スピリット、継続企業の前提に疑義

ビジネス

カナダ9月貿易収支、7カ月連続で赤字 原油安などで

ワールド

トランプ氏がインディアナなど3州で勝利確実、ハリス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選と日本経済
特集:米大統領選と日本経済
2024年11月 5日/2024年11月12日号(10/29発売)

トランプ vs ハリスの結果次第で日本の金利・為替・景気はここまで変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウクライナ軍と北朝鮮兵が初交戦
  • 2
    投票日直前、トランプの選挙集会に異変! 聴衆が激減して異様に空席が目立つミステリー
  • 3
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 4
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 5
    「常軌を逸している」 トランプ、選挙集会で見せた「…
  • 6
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…
  • 7
    在日中国人「WeChatで生活、仕事、脱税」の実態...日…
  • 8
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 9
    ネアンデルタール人「絶滅」の理由「2集団が互いに無…
  • 10
    どちらが勝っても日本に「逆風」か...トランプvsハリ…
  • 1
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大人気」の動物、フィンランドで撮影に成功
  • 2
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウクライナ軍と北朝鮮兵が初交戦
  • 3
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴出! 屈辱動画がウクライナで拡散中
  • 4
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 5
    日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後…
  • 6
    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…
  • 7
    脱北者約200人がウクライナ義勇軍に参加を希望 全員…
  • 8
    幻のドレス再び? 「青と黒」「白と金」論争に終止符…
  • 9
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 10
    投票日直前、トランプの選挙集会に異変! 聴衆が激…
  • 1
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 7
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 10
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中