トランプ氏勝利なら、関税通じ英経済に大打撃=英シンクタンク
11月6日、英シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利して大規模な輸入関税を課した場合、ただでさえ低い英国の経済成長率が半分以下に押し下げられる可能性があるとする報告書を公表した。ロンドンのマーケットで10月撮影(2024年 ロイター/Hannah McKay)
[ロンドン 6日 ロイター] - 英シンクタンクの国立経済社会研究所(NIESR)は6日、米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利して大規模な輸入関税を課した場合、ただでさえ低い英国の経済成長率が半分以下に押し下げられる可能性があるとする報告書を公表した。
NIESRは、トランプ氏の関税計画が実現しない場合でも、英国の成長率は2025年が1.2%、26年が1.1%と減速し、30年時点でも1.7%の低成長にとどまると予想した。
アハメト・カヤ首席エコノミストは、トランプ氏が提唱しているような関税が導入された場合には25年の成長率は0.4%にとどまるとの見通しを示した。トランプ氏は中国からの輸入品に60%、他の国々からの輸入品に10%の関税を課す方針を示している。
カヤ氏は、この計画が実施された場合に世界経済も圧迫されるだろうと述べた。
同氏によると、米国が関税を引き上げればイングランド銀行(英中央銀行)は物価上昇に対処するために利上げを余儀なくされる見通し。それでも、今後2年間のインフレ率を2―3%ポイント押し上げるとの見方を示した。
スターマー英政権は、政府の借り入れ増加と増税によって支出拡大の財源をまかなう計画を示しており、利上げが実施されれば打撃となりそうだ。