EUの投資、公的資金を民間の呼び水に=財務相会議
欧州連合(EU)は11月4日のブリュッセルでの財務相会議後に出した声明で、EUは環境から防衛に至る投資ニーズについて、一義的に公的資金を使い、民間投資の呼び水とすべきだとの考えを示した。7月18日、フランクフルトで撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)
Jan Strupczewski
[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)は4日のブリュッセルでの財務相会議後に出した声明で、EUは環境から防衛に至る投資ニーズについて、一義的に公的資金を使い、民間投資の呼び水とすべきだとの考えを示した。会議では、二酸化炭素(CO2)排出量を削減しつつ、中国や米国との競争に勝つ方法について議論した。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ前総裁は9月にまとめた報告書で、EUが世界的な競争に勝つためには域内総生産(GDP)の最大5%に相当する年間8000億ユーロ(8708億ドル)の投資が必要になるとの推計を示していた。
財務相らは、度重なる危機により公的資金は減っており、この投資額を公的資金だけで賄うのは無理だと指摘。限られた公的資金は「前向きな余波が期待される分野に民間資本を動員するための触媒として使うのが最善だ」との見解を示した。
具体的には、プロジェクトの中で最もリスクの高い部分に比較的少額のEU資金を投入し、もっと安全で利益の出る部分に民間投資をいざなうとしている。
財務相会議は、EU加盟国の住民4億5000万人全員に恩恵が及ぶサービスとインフラにEUの資金を使うことにも前向きな考えを示した。