スイスCPI、9月は前年比+0.6% 3年強ぶり低い伸び
スイス連邦統計局が1日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.6%上昇し、2021年7月以来の低い伸びとなった。スイス国内のスーパーマーケットで2020年撮影。(2024年 ロイター/Arnd Wiegmann)
[チューリヒ 1日 ロイター] - スイス連邦統計局が1日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.6%上昇し、2021年7月以来の低い伸びとなった。
ロイターがまとめたアナリスト予想の0.8%を下回った。食料品や衣料品、日用品が値下がりした。
前月比では0.1%下落した。
CPIを受けてスイス国立銀行(中央銀行)の利下げ観測が高まり、スイスフランは5週間ぶりの安値を付けた。
市場では、次回12月の金融政策決定会合で政策金利を1%から0.75%へ引き下げる確率を72%、来年3月に0.5%へ引き下げる確率を68%と予想している。
J・サフラ・サラシンのエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は「インフレ率の低下という状況は、スイス中銀にとって居心地が悪くなっている。12月は確実に25ベーシスポイント(bp)の利下げを行うだろうが、50bpの引き下げがあっても驚かない」と述べた。
「3月に25bp、6月にさらに25bp利下げし、(政策金利を)0.25%にするだろう」と予想した。また、来年初頭にも為替介入を強化するとの見方を示した。
EFG銀行のエコノミスト、ジャンルイジ・マンドルッツァート氏は10月のインフレ率について、第4・四半期に1%とした中銀の予測を大きく下回ったと指摘。
「一時的とはいえ、25年にインフレ率がマイナスになるリスクが明らかに高まったため、中銀が25bpではなく50bpの利下げを検討する可能性も高まった」と述べた。