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午後3時のドルは152円前半、「トランプトレード」の思惑が支援

2024年10月23日(水)15時50分

 10月23日 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から約1円高の152円前半で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)

Noriyuki Hirata

[東京 23日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から約1円高の152円前半で取引されている。一時152.28円に上昇し、約3か月ぶりの高値を付けた。アジア時間の米金利上昇がドル/円を押し上げた。米大統領選が近づく中、トランプ前大統領が勝利した場合に備える「トランプトレード」が意識された。

ドルは朝方は151円付近での取引だったが、仲値公示にかけて実需の買いが観測され攻防ラインと目されていた200日移動平均線を上回ると、ロスカットを巻き込んで上昇に弾みがついた。その後もドル/円ショート勢によるロスカットが散見され、堅調な地合いは継続。午後には、7月31日以来、約3か月ぶりに152円を回復した。

米国の利下げペースが当初の想定より緩やかになるとの観測や、米大統領選が近づく中でトランプ前大統領優位との思惑を背景に、アジア時間の米10年金利は約3か月ぶり高水準の4.23%台に上昇し、ドル買いを支援した。「(トランプトレードへの)備えに遅れた投資家が慌てて買っているようだ」(国内銀のストラテジスト)との声も聞かれた。

市場では目先の相場について「ユーロ/ドルも下がっており、全般的にドルが強い。連邦準備理事会(FRB)高官発言やトランプトレードへの思惑で、ドル/円ロング勢が勢いを増す可能性がある」(三菱UFJ信託銀行の資金為替部上級調査役、岡田佑介氏)との声が聞かれた。ドルインデックスは3カ月ぶり高水準の104.19に上昇した。

ドル/円は、かつての為替介入の水準でもある152円に上昇してきたが「一度上回った水準でもあり、そのことによって足元の介入への警戒感が高まっている様子はない」(国内銀のトレーダー)という。

口先介入はこれからもあるとみられているが「実弾投入への警戒感が高まってくるのは155円を上回ってからではないか」(同)との声が聞かれた。一方、円安が進めば日銀の追加利上げへの思惑にもつながりやすく、「あまり(ドル/円の)高値を買っていくのは怖いと思う」(三菱UFJ信託銀の岡田氏)との見方もあった。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 152.16/152.18 1.0806/1.0807 164.44/164.45

午前9時現在 151.15/151.16 1.0796/1.0797 163.19/163.20

NY午後5時 151.06/151.09 1.0797/1.0801 163.12/163.18

ロイター
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