中国空母「遼寧」、台湾海峡通過 封鎖なら戦争行為=台湾国防部
台湾国防部(国防省)は23日、中国軍の空母「遼寧」の艦隊が22日夜に台湾海峡を通過したと発表した。台湾が実効支配する東沙諸島(プラタス諸島)の周辺海域から北方向に航行したという。写真は2022年8月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Ben Blanchard Roger Tung
[台北 23日 ロイター] - 台湾国防部(国防省)は23日、中国軍の空母「遼寧」の艦隊が22日夜に台湾海峡を通過したと発表した。台湾が実効支配する東沙諸島(プラタス諸島)の周辺海域から北方向に航行したという。
台湾軍の部隊が艦隊の動きを監視した。
中国外務省の林剣報道官は北京で記者団に対し、台湾は中国の領土だとし、「中国の空母が自国の領土と海域で活動することは極めて普通のことだ」と語った。
遼寧は中国が台湾を包囲する海空域で先週実施した軍事演習に参加していた。先月には日本の接続水域に初めて入ったと、防衛省が発表した。
先週の軍事演習について中国側は台湾の主要な港や地域を封鎖し、海や陸の目標を攻撃する想定で訓練を行ったとしていた。
これについて台湾の顧立雄国防部長(国防相)は23日、記者団に、飛行禁止や航行禁止区域は設けられなかったと述べた。実際に禁止区域を設けて封鎖を実施すれば「国連の決議に基づき戦争の一種と見なされることになる」と指摘した。
軍事演習と封鎖は全く国際社会への影響が異なるとし、世界の輸送量の5分の1が通過するとされる台湾海峡で封鎖を行えば「国際社会が座視することはできないだろう」と強調した。
台湾は食料供給の確保など封鎖に備えているが、顧氏は液化天然ガス(LNG)が弱点との認識を示した。
経済部高官は、現在約8日分のLNG備蓄があり、2027年までに14日分に増やす計画だと説明した。不測の事態には、廃止された石炭火力発電所を再稼働させることも可能だと述べた。
台湾は中国が最近の軍事演習で海警局を動員していることを懸念している。特に中国が台湾海峡での法的権限を示すために、台湾の民間船舶に立ち入り検査を行うことを警戒している。
台湾海巡署は23日の議会への報告書で、そうした事態が起こった場合、海巡署は「挑発も後退もしない」という原則に基づいて対応し、「全力で」そのような行為を阻止すると表明した。