輸入関税を万能薬のように触れ回るトランプに大いなる懸念
Trump Can't Stop Talking About How Much He Loves Tariffs
大統領一期目から関税発動が大好きだったトランプが戻ってくる?(10月19日、ペンシルバニア州ラトローブ) REUTERS/Brian Snyder
<関税引き上げを経済政策の目玉にするトランプは、大統領に再選されたら輸入品すべてに高水準の関税をかけると言う>
ドナルド・トランプ前大統領は口を開けば「関税」と言わずにいられない大統領候補(共和党)だ。
先週、ミシガン州オーバーン・ヒルズで開かれた有権者との懇談会では、「関税」は「辞書に載っている言葉の中で最も美しい言葉だ」とまで言った。
酔っているようでさえある。「『愛』も、すごくいい言葉だ」とトランプが言うと、聴衆は笑った。「だが私は、『関税』のほうが美しいと思う」
大統領一期目から「関税マン」を自称していたトランプは、再選された場合、輸入品すべてに高率の関税を課すという計画を繰り返し宣伝している。
当初はアメリカの貿易相手国すべてに10%の関税をかけると言っていたが、最近になって50%まで引き上げる可能性を示した。また中国からの輸入品には60%の関税をかけると言う。
「私がこの国の大統領になるなら、100%、200%、2000%の関税をかけるつもりだ」と、シカゴ経済クラブでの講演では言った。そして「メキシコの車はアメリカで1台も売れなくなるだろう」と、付け加えた。
9月にはミシガン州フリントの集会で、「関税は、これまでで最も偉大な発明だ」とも語っている。