ECB、利下げで後手に回るリスク 機敏な行動必要=仏中銀総裁
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁(写真)は22日、経済成長の低迷が続けばインフレ率がECBの目標を下回る可能性があるとし、そうなればECBは利下げで後手に回るリスクに直面するとの見方を示した。1月撮影(2024年 ロイター/Denis Balibouse)
[ニューヨーク 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は22日、経済成長の低迷が続けばインフレ率がECBの目標を下回る可能性があるとし、そうなればECBは利下げで後手に回るリスクに直面するとの見方を示した。
ビルロワドガロー氏はニューヨーク大学での講演で「ECBは現在、後手回っていないが、機敏に対応することでこうしたリスクを回避できる」とし、「制約的な政策スタンスの解除が遅れるリスクは、早すぎるリスクよりも重大になる可能性がある」と述べた。
ECBは今年すでに3回の利下げを実施。成長率がゼロ近辺で推移し、インフレ率が予想を下回っていることから、今後4─5回の各理事会で利下げが実施されるとみられている。
また、ビルロワドガロー氏は、気候変動問題を中央銀行の意思決定から除外することはできないとの見方も表明。気候変動の影響は「すでに非常に強力」であり、「われわれの第一の使命を気候変動関連の要因から切り離すことはできない」と述べた。