ニュース速報
ビジネス

中国、高級ブランドの中古・グレー市場が興隆 価格上昇と景気低迷で

2024年10月22日(火)14時09分

中国で高級ブランドの中古品市場とグレーマーケットが人気を集めている。景気が弱い中でブランド品の価格が上昇し、消費者が安い購入方法を求めた結果で、フランスのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などの高級ブランド大手は懸念を深めている。写真は高級ブランドの中古品などを扱うEコマースサイトのライブストリーミング。23年撮影。(2024年 ロイター/Xihao Jiang/File Photo)

Casey Hall

[上海 21日 ロイター] - 中国で高級ブランドの中古品市場とグレーマーケットが人気を集めている。景気が弱い中でブランド品の価格が上昇し、消費者が安い購入方法を求めた結果で、フランスのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などの高級ブランド大手は懸念を深めている。

中国の需要減退を主因とし、LVMHやイタリアのサルヴァトーレ・フェラガモなどの高級ブランド企業が最近発表した四半期決算が減収となった。

コンサルタント会社リハブによると、海外などから仕入れた高級ブランド品を、中国の旗艦店よりも20─50%安く売る「得物(DeWu)」などのプラットフォームがここ数年で興隆。こうしたグレーマーケットは年間570億ドル規模と推計される。

中古品市場も盛り上がっている。中古ブランド品のマーケットプレース、ZZERの創業者であるジュー・タイニチ氏は「売り手の数は急増しており、その過半数が初めて高級アイテムを売る人々だ。しかし買い手側は横ばいにとどまっている」と話す。

このためジュー氏によると、今年に入ってからの中古ブランド品の平均購入価格は昨年より下がり、注文額も平均で10%程度減っている。

コンサルタント会社iリサーチの推計では、ZZERや「紅布林(PLUM)」、「閑魚」といったプラットフォームを含む中国の中古ブランド品市場は2020年以来、年率30%を超える成長を遂げている。

中国の今年9月の小売売上高は3.2%増と、低い伸び率にとどまった。世界的な高級ブランド大手の売上高において中国は25%程度を占めており、同国の消費低迷は懸念すべき兆候。中古品とグレー市場への関心の高まりは、中国での売り上げを守りたい大手にとって新たな悩みの種となっている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:衆院選後の円急騰リスク台頭、自公過半数割

ビジネス

英HSBC、事業再編を発表 初の女性CFOを指名

ビジネス

英公的部門純借り入れ、4─9月は公式予測上回る 課

ビジネス

午後3時のドルは一時151.10円まで上昇、3カ月
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「ATACMS」攻撃、無防備な兵士たちを一斉爆撃
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    トルコの古代遺跡に「ペルセウス座流星群」が降り注ぐ
  • 8
    「常軌を逸している」 トランプ、選挙集会で見せた「…
  • 9
    「なぜその格好...」ルーブル美術館を貸し切った米モ…
  • 10
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 5
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中