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NY外為市場=ドル11週間ぶり高値、米大統領選を注視 ECB理事会控えユーロ下落

2024年10月17日(木)06時20分

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、11週間ぶり高値を付けた。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、11週間ぶり高値を付けた。米大統領選まで残すところ約3週間となる中、米大統領選の結果が注視される。一方、17日に欧州中央銀行(ECB)理事会を控える中、ユーロは下落。低調なインフレ指標を受け、ポンドも下落した。

米大統領選の共和党候補トランプ前大統領が勝利すれば、ドルへの追い風になるとみられている。トランプ氏の減税策や金融規制緩和、関税引き上げといった計画によってアジアや欧州の輸出国の成長にマイナスの影響が及び、これらの国が利下げに動けば、ドルが押し上げられる可能性があるからだ。

トランプ氏は前日のインタビューで、保護主義的だと指摘されている貿易政策など自身の経済政策について、連邦政府の債務増加につながることはないと主張し、関税引き上げに意欲を示した。

また、クラリティFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は、複数の主要国経済が米国よりも急速に減速しており、これら中銀がFRBよりも大幅な利下げを余儀なくされると指摘。こうした状況もドルの支援材料となっている。

LSEGによると、市場が織り込む11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利下げの確率は97%。1カ月前時点では、0.25%ポイントと0.5%ポイント利下げの確率は五分五分となっていた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.3%高の103.59。一時、11週間ぶりの高値となる103.60を付ける場面もあった。

ユーロ/ドルは0.4%安の1.0855ドル。一時、8月初旬以来の安値となる1.0853ドルを付けた。

ポンドの下げが目立った。対ドルでは0.7%安の1.2982ドルと、8月20日以来初めて1.30ドルの節目を割り込んだ。対ユーロでも0.5%下落した。

9月の英消費者物価指数(CPI)が前年同月比1.7%上昇と、前月から大幅に鈍化し、2021年4月以来の低い伸びとなったことを受け、イングランド銀行(英中銀)の11月利下げと12月の追加利下げ観測が強まった。

ドル/円は0.4%高の149.765円。

日銀の安達誠司審議委員は16日、基調的な物価上昇率が2%目標を持続的・安定的に実現するまでは、基本的には緩和的な環境を維持しつつ、極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていくと述べた。

ドル/円 NY終値 149.62/149.65

始値 149.38

高値 149.81

安値 149.15

ユーロ/ドル NY終値 1.0861/1.0863

始値 1.0889

高値 1.0901

安値 1.0854

ロイター
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