東京メトロの公開価格は1200円、6年ぶり大型上場に旺盛な需要
10月23日に新規上場する東京地下鉄(東京メトロ)が、公開価格を1200円に決定したことが分かった。写真は財務省前にある東京メトロの駅の看板。都内で8月撮影(2024年 ロイター/Miho Uranaka)
Miho Uranaka Sam Nussey
[東京 15日 ロイター] - 東京地下鉄(東京メトロ)は15日、新規株式公開(IPO)に伴う売り出し価格を1200円に決定したと発表した。6年ぶりの大型上場には投資家からの旺盛な需要が集まり、仮条件(1100─1200円)の上限で決まった。23日に東京証券取引所のプライム市場に上場する。
公開価格に基づく売り出し総額は3486億円、上場時の時価総額は6972億円。金融情報を扱うロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、2018年に上場した通信大手ソフトバンク以来の規模となる。
複数の関係者によると、高い配当利回りに関心を集めた。8─11日にかけて実施した個人や機関投資家などからの需要を積み上げるブックビルディング(需要申告)の倍率は、15倍を超えた。
全体の78.5%を占める個人分が約10倍超、1.5%に当たる国内機関投資家分が20倍以上、残りの20%である海外機関投資分については30倍を超えたという。
東京メトロはロイターの取材に対し「IPOに関してはコメントを控える」と応じた。
東京メトロは配当性向目標4割以上を掲げており、1株当たり配当40円を公開価格で割った配当利回りは3.3%となる。DZHフィナンシャルリサーチの田中一実アナリストは配当利回りについて「民鉄やJR各社と比較して突出している」と指摘。「鉄道事業という安定性に加えて、インバウンドの増加により成長性にも期待できる」との見方を示した。
個人株主の関心が高い株主優待は、駅構内で運営するそば店のかき揚げ無料券がインターネット上などで話題になった。
東京メトロ株は国が53.4%、都が46.6%を保有している。IPOでは、国が26.7%、都が23.3%の合計50%を売却する。東日本大震災の復興財源確保法は、国が27年度までに確保した東京メトロ株の売却収入を復興債の償還費用に充てると規定している。
(浦中美穂、Sam Nussey 編集:田中志保)
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