利下げ急ぐべきでない、今後はより緩やかなペースで=米ダラス連銀総裁
米ダラス地区連銀のローガン総裁は9日、インフレ上振れリスクが依然現実的で経済見通しを巡りかなりの不確実性がある中、今後は「より緩やかな」利下げが適切という見解を示した。写真は5月30日撮影(2024年 ロイター/Ann Saphir)
[9日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のローガン総裁は9日、インフレ上振れリスクが依然現実的で経済見通しを巡りかなりの不確実性がある中、今後は「より緩やかな」利下げが適切という見解を示した。
ローガン総裁は、米連邦準備理事会(FRB)が9月に実施した0.5%ポイント利下げを支持するとした上で、二大目標に対するリスクをより良く均衡させるため「今後はより緩やかな道筋で正常な政策スタンスに戻ることが適切となる公算が大きい」と述べた。
さらに、FRBは金利を正常もしくは中立とされる水準に向け「利下げを急ぐべきでなく、むしろ金融状況や消費、賃金、物価の動向を監視しつつ段階的に進めるべき」とした。
インフレについては「2%の目標を上回って推移するかなりのリスクがある」とし、中立金利の水準がパンデミック(世界的大流行)前よりも上昇する可能性があると述べた。
地政学的リスクに伴うサプライチェーン問題の再燃や米港湾ストの影響などをインフレ上振れリスクと指摘した。
労働市場は引き続き健全であるものの、「インフレを持続的に2%に戻すために必要な水準を超えて冷え込む、あるいは雇用情勢が急激に悪化する」というリスクが存在するとし、「労働市場の下振れリスクは増大している。一方、インフレ上振れリスクは減少しているものの依然存在する」という認識を示した。
ローガン総裁は「あらゆる衝撃が、正常化への道筋がどのようなものになるか、政策がどれだけ速く動くべきか、金利がどこに落ち着くべきか、影響を与える可能性がある」とし、政策の方向性はあらかじめ決められた道筋に従うべきではなく、FRBは適切であれば調整する用意を整えておく必要があると述べた。
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