コメルツ銀合併ならコスト削減影響は本社部門に=ウニクレディトCEO
イタリア大手銀行ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO)は4日、同行がドイツのコメルツ銀行を買収した場合、コメルツ銀行におけるコスト削減の影響は、支店網ではなく大半が本社部門に及ぶとの見解を示した。写真は2017年9月に撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
[ミラノ 4日 ロイター] - イタリア大手銀行ウニクレディトのアンドレア・オーセル最高経営責任者(CEO)は4日、同行がドイツのコメルツ銀行を買収した場合、コメルツ銀行におけるコスト削減の影響は、支店網ではなく大半が本社部門に及ぶとの見解を示した。
ウニクレディトは監督当局の承認を前提に、コメルツ銀行株約21%を取得しており、合併が最善の帰結との見方を表明している。
一方でウニクレディトは、デリバティブを利用して損失の下限を設定した後、保有株式を売却して利益を得る可能性も示唆している。こうした動きはコメルツ銀行株価を急落させかねない。
英経済誌エコノミストが3日掲載した記事で、オーセル氏は合併が実現した場合、ウニクレディトの本社を、資産の大半を占めると考えられるドイツに移転する考えを否定した。イタリアのサルビーニ副首相がウニクレディトはイタリアに本拠地を維持すべきと表明した後、同行はすでに本社を国外に移転する理由はないと述べている。
オーセル氏の前任者でコメルツ銀行の買収にも関わったジャンピエール・ムスティエ氏は当初、ドイツ市場に上場したウニクレディトの海外事業を統括する会社の設立を検討した。
ドイツの信用力はイタリアよりずっと高いため、ドイツの銀行はイタリアの銀行に比べて低い金利で資金を調達できるメリットがある。