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日経平均が一時800円超高、米軟着陸期待 為替にらみは継続

2024年10月07日(月)11時13分

 10月7日、東京株式市場で日経平均は、一時800円超高に急伸している。前週末の米国市場で雇用統計が市場予想を上振れたことを受けて米経済の軟着陸期待が高まり、株高、円安となったことを好感する動きが先行した。写真は株価ボードの下を歩く人々。都内で2月撮影(2024 ロイター/Issei Kato)

Noriyuki Hirata

[東京 7日 ロイター] - 7日の東京株式市場で日経平均は、一時800円超高に急伸している。前週末の米国市場で雇用統計が市場予想を上振れたことを受けて米経済の軟着陸期待が高まり、株高、円安となったことを好感する動きが先行した。ドル/円の上昇が一服する中で株価も伸び悩んでおり、為替にらみは継続しそうだ。

市場では、米雇用統計が「米景気懸念をいったん懸念を払拭したのではないか」とニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストはみている。石破茂首相が、政治資金問題で党内処分の重かった議員を衆院選で非公認とする方針を示したことは、選挙に向けて与党支持にプラスだろうとして「株価にとって『選挙は買い』が意識されやすくなる」(井出氏)という。

ドル/円が一時149円台に上昇し、先週の大引け時点に比べ円安方向に振れたことがトヨタ自動車など輸出関連株を中心に支援している。午前10時時点では、東証33業種のうち30業種が上昇し、東証プライム市場の8割弱が値上がりしており、幅広く買われている。

米長期金利が上昇する中、国内でも新発10年国債利回りが0.910%と9月3日以来の高水準に上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループなどの金融株の追い風になっている。セクター別の値上がり率上位には保険や証券を含め金融株が並んでいる。東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体関連株は総じて堅調で、指数の押し上げに寄与している。

<買い一巡後は伸び悩みも>

足元ではドルが148円台に押し戻され上昇一服。株価も上昇の勢いが削がれている。財務省の三村淳財務官が朝方、記者団に対し「投機的な動きも含めて、為替市場の動向は緊張感を持って注視する」と述べたことも、ドル/円の上値を抑制しているとみられる。

堅調な米雇用統計を受けて、11月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%の利下げの織り込みは市場で消滅。今後は「0.25%の利下げをメインシナリオとして、指標の結果次第で据え置きと0.5%利下げとの間で市場の期待は変動し、ドル/円も上下に振れやすい展開が続くだろう」と、みずほ証券の⼭本雅⽂チーフ為替ストラテジストはみている。

関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、円安が一段と進めば日銀の植田和男総裁も政策判断に「時間的な余裕がある」と言っていられなくなるかもしれず、また衆院選に向けて石破茂首相のスタンスも変わってくる可能性もあるとして、その場合には円金利に一段の上昇圧力がかかるとの見方を示す。国内長期金利は「今後の日銀のスタンス次第では1%に向けてだらだらと上昇する可能性があるとみている」という。

ドルが150円を超えて一段と円安に振れる展開は見込みづらいとして「日経平均の上昇が継続するかは不透明だ。むしろ、為替と株価の連動性が高い分、円高に振れた場合は売りが強まる可能性もあり、注意が必要」との見方を、GCIアセットマネジメントの池田隆政ポートフォリオマネージャーは示している。

4日の米国市場では、労働省が発表した9月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比25万4000人増で予想(14万人増)を大幅に上回った。失業率も4.2%から4.1%に改善。想定外に強い米雇用統計を受けて景気懸念が和らぎ、ダウ工業株30種は終値で最高値を更新し、ナスダック総合も1%超高で引けた。

ロイター
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