ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは横ばい圏143円前半、実需の買い一巡後は値動き乏しく

2024年09月25日(水)15時27分

 9月25日 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(143.21/25円)から横ばい圏の143円前半で取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2024年 ロイター/Murad Sezer)

Mariko Sakaguchi

[東京 25日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(143.21/25円)から横ばい圏の143円前半で取引されている。実需の買いや底堅い株価の動きを背景に強含む場面もあったが、週末の自民党総裁選を控え追随した動きは限られた。

海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは早朝に一時142.88円付近まで下落した。仲値公示に向けては国内輸入企業による買いが入ったとみられ、143円前半まで上昇。その後は、底堅く推移する日経平均株価の動きを眺めて円安圧力がかかり、ドルはじりじりと上昇した。買い一巡後は方向感に乏しい動きとなった。

足元のドル指数は100.30付近。一時100.21付近まで下落したものの、持ち直している。「米利下げの織り込みが行き過ぎている面があり、ドル売りも出にくくなっている」と、あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏はみる。

米コンファレンス・ボード(CB)が24日発表した9月の消費者信頼感指数が約3年ぶりの大幅な落ち込みとなったことを受けて、大幅利下げ観測が高まった。米CMEのフェドウォッチによると、市場は米連邦準備理事会(FRB)が11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)の利下げを行う可能性を現時点では58%程度織り込んでいる。

SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は、米国経済がソフトランディング(軟着陸)できないのではないかという懸念が高まると、ドル売りが勢いを増す可能性が意識され、大きな流れとして「ドルは積極的に買いにくい」と指摘。ドルは145円が天井圏とみられており、140-145円を中心としたレンジでの推移が続くとみる。

一方、植田和男日銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示したほか、週末の自民党総裁選をめぐる思惑から円売り圧力も根強い。

安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の継承を訴える高市早苗経済安全保障担当相が意識されつつある中、「メインシナリオではないものの、オプション市場でヘッジする動きが出ている」(国内銀のストラテジスト)との声が出ている。仮に高市氏が総裁選で勝利すれば日銀の追加利上げ観測が一段と後退し、ドルは150円方向に向きやすいという。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 143.26/143.27 1.1195/1.1196 160.39/160.40

午前9時現在 142.95/142.96 1.1190/1.1191 159.97/159.98

NY午後5時 143.22/143.24 1.1180/1.1181 160.09/160.15

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍、模擬弾頭搭載ICBMを太平洋に発射 「通常

ワールド

ロシア、「子供を持たない主義」の宣伝禁止 議会が法

ワールド

米下院委、ブリンケン氏の議会侮辱罪を勧告 国務省「

ワールド

日本の上空は通過せず、警戒監視に全力=中国ICBM
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサリン妃御用達デザイナー「移籍」で選択肢ゼロに
  • 2
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 3
    まさかの「ハリス不支持」...130万人からなる「あの巨大労組」が異例の声明、大統領選への影響は?
  • 4
    先住民が遺した壁画に「当時の人類が見たはずがない…
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    中国「愛国ビジネス」暴走、日本人襲撃...中国政府は…
  • 7
    中東は全面戦争に突入寸前、レバノンは「もう一つの…
  • 8
    「大統領選敗北なら2年以内にイスラエル消滅」トラン…
  • 9
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 10
    「ゾッとした」「未確認生物?」山の中で撮影された…
  • 1
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 2
    がん治療3本柱の一角「放射線治療」に大革命...がんだけを狙い撃つ、最先端「低侵襲治療」とは?
  • 3
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 4
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 5
    世界で最も華麗で高額な新高層ビルに差す影
  • 6
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 7
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 8
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 9
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 10
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 9
    「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_i…
  • 10
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中