トルコがPHVに輸入規制、国内生産に向け中国メーカーに圧力との見方
トルコ貿易省は、中国を含む一部の国からのプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の輸入に厳しい条件を課した。BYDのEV、タイの工場で7月撮影。(2024年 ロイター/Chalinee Thirasupa/File Photo)
[イスタンブール 20日 ロイター] - トルコ貿易省は、中国を含む一部の国からのプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の輸入に厳しい条件を課した。20日付の官報で明らかになった。30日後に施行する。6月に決定した電気自動車(EV)輸入規制に続く措置となる。
中国製自動車は、EVを中心に政府から手厚い補助金を受けているとして、米欧などで輸入を規制する動きが出ている。アナリストは、トルコ政府が、同国での生産で協議している中国自動車メーカーに圧力をかけようとしていると指摘する。
官報によると、輸入業者が欧州連合(EU)や自由貿易協定を締結している国以外で生産されたPHVを輸入するためには、国内7地域に20の公認サービス店を持つなどの条件を満たす必要がある。
アナリストは、この条件を満たす輸入業者は皆無と指摘。コンサルティング会社EBSダニスマンリクの創業者エロル・サヒン氏は「今後、在庫は別として、PHVは入ってこなくなる。その他のハイブリッド車にはすでに高関税が賦課されている」と述べた。その上で、トルコ政府は、国内生産について交渉している中国自動車メーカーに対し「対応を急げというメッセージを強めた」と指摘した。
中国EV大手の比亜迪(BYD)は7月、トルコで10億ドル投じて年間生産能力15万台の工場を建設することでトルコ政府と合意した。
先週、トルコの関係筋は、中国が自国企業に海外投資にかかるリスクを警告したが、BYDの対トルコ投資プロセスは問題なく続いていると述べていた。
奇瑞汽車や上海汽車も交渉中。
業界データによると、中国ブランド車の1─8月の輸入は前年同期の2倍以上の6万3000台で、全体の8%を占めた。
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