ECBが0.25%追加利下げ、成長鈍化に対応
欧州中央銀行(ECB)は12日、インフレと経済成長の鈍化を受けて0.25%の追加利下げに踏み切った。本部で7月撮影。(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch/File Photo)
Balazs Koranyi Francesco Canepa
[フランクフルト 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は12日、インフレと経済成長の鈍化を受けて0.25%の追加利下げに踏み切った。
6月に続き主要政策金利の中銀預金金利を3.75%から3.50%に引き下げたが、決定は会合ごとに実施し特定の道筋に事前にコミットしないとのガイダンスを維持した。
声明では「インフレ見通し、基調インフレの動向、金融政策の伝達程度に関する最新の評価に基づき、金融政策の制限の度合いを緩和する措置を講じることが適切と理事会は判断した」と述べた。
その上で「理事会は引き続き、データに依存して会合ごとに適切な水準と制約期間を決定する」とし、「特定の金利の道筋を事前に確約することはない」と述べた。
「賃金が依然高いペースで上昇しており域内のインフレ率は依然として高い」と指摘。「だが、労働コスト圧力は緩やかになり、賃金上昇がインフレに与える影響を利益が部分的に緩和している」とした。
ラガルド総裁も記者会見で「われわれは特定の金利経路を事前に約束しているわけではない」と強調。「一連の指標を精査している」とした上で、統計的ベース効果のため、9月のインフレ率は低水準になる可能性が高いと指摘した。
また、ユーロ圏のインフレは全体的な労働コスト圧力が緩和され企業によって吸収される一方で、賃金上昇が引き続き上昇に寄与しているという複雑な見通しを示した。
ユーロ圏の市場はほとんど変動しなかった。将来の金利の道筋に関する手がかりがなかったためだ。アナリストはこれをECBの慎重さの証拠と解釈した。
INGのマクロ部門グローバル責任者、カーステン・ブルゼスキ氏は「ECBのインフレ上昇予測はかなり慎重な傾向にあるため、より積極的な利下げを行う前に完全に(インフレ鎮静化の)確信を得たいと考えているだろう」と述べた。
四半期ごとに発表するECBのスタッフ予想によると、今年の成長率は6月の予想を若干下回る一方、インフレ率が目標に戻るのは来年後半と見られている。
預金金利は0.25%ポイント引き下げたが、リファイナンス金利は以前から予告されていた技術的調整により、0.60%ポイント引き下げ3.65%とした。両金利の差は2019年9月以降50ベーシスポイント(bp)に設定されていたが、銀行間融資を促すため3月、今回から金利差を15bpに縮小するとしていた。限界貸出金利も0.60%引き下げられ3.90%とした。
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