ニュース速報
ビジネス

再送米CPI、8月は2.5%に鈍化 基調インフレに依然粘着性

2024年09月12日(木)06時25分

米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.2%上昇し、上昇幅は前月と変わらなかった。ニューヨーク市内のスーパーマーケットで2022年撮影。(2024年 ロイター/Andrew Kelly/File Photo)

(脱字を修正して再送します)

[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年比2.5%上昇した。前月の2.9%から鈍化し、2021年2月以来の小幅な伸びとなった。ただ、基調インフレにはなお粘着性が見られ、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%ポイント利下げは正当化されない可能性がある。

CPIは、前月比では0.2%上昇。上昇幅は前月と変わらなかった。

ロイター調査によるエコノミスト予想は前年2.6%上昇、前月比0.2%上昇だった。

ネイションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「住宅費やサービスコストへの長引く圧力が再び高まる中、インフレ正常化への道は8月に障害にぶつかった」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)当局者はくすぶる物価上昇モメンタムへの慎重姿勢を維持しており、来週は0.25%ポイントの小幅な利下げにとどまるだろう」と述べた。

JPモルガン・ウェルスマネジメントの投資戦略責任者、エリース・オーゼンボー氏は「利下げサイクルは積極的なものではなく、緩やかなものになるとの見通しを市場は受け入れなければならない」とした。

CMEのフェドウォッチによると、金融市場が見込む17─18日のFOMCでの0.50%ポイント利下げの確率は約15%と、CPI発表前の29%から低下。0.25%ポイント利下げの確率は約85%で、71%から上昇した。

8月は食品が前月比0.1%上昇。過去2カ月は0.2%上昇していた。

エネルギーは0.8%下落した。7月は横ばいだった。ガソリン価格も0.6%下落した。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは、前年比3.2%上昇で前月と変わらず。前月比は0.3%上昇で、7月の0.2%上昇から小幅加速した。エコノミスト予想は前年比が3.2%上昇、前月比が0.2%上昇だった。

パンテオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は、コアCPIの伸びは向こう数カ月で緩和し、2025年上半期には2%に達するとの予想を変えていないと述べた。

<サービス価格上昇、モノの価格は下落>

サービス価格は、2カ月連続で0.3%上昇。家賃を除くサービス価格は2カ月連続で横ばいだったが、8月は0.1%上昇した。

ホテルの宿泊料を含む住居費は0.5%上昇し、コア指数を押し上げた。

帰属家賃(OER)は0.5%上昇した。7月は0.4%上昇だった。ホテルなどの宿泊料も1.8%急伸し、伸びは前月の0.2%から加速した。

モノ(財)の価格は、2カ月連続で0.1%下落。中古車・トラックは1%下落、家具、医療、通信、娯楽なども小幅下落したものの、住居費の上昇に相殺された。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インテル株急騰、AWSとの提携強化で

ワールド

ヒズボラの通信機器爆発、1000人超負傷 レバノン

ビジネス

米小売売上高、8月は+0.1%増 予想外のプラス 

ワールド

EU、欧州委「閣僚」候補を発表 新設防衛担当はリト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰だこれは」「撤去しろ」と批判殺到してしまう
  • 2
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない」との研究が話題に...その仕組みとは?
  • 3
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優雅でドラマチックな瞬間に注目
  • 4
    バルト三国で、急速に強まるロシアの「侵攻」への警…
  • 5
    原作の「改変」が見事に成功したドラマ『SHOGUN 将軍…
  • 6
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    チーズはこれからもっと健康になる...3つの新種プロ…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 6
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 7
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 8
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 9
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
  • 8
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 9
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 10
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中