日本製鉄株が一時3%超高、USスチール買収を巡る報道で
4月2日、東京株式市場で日本製鉄が反発し、一時前営業日比3%超高の3745円で高値を付けた。写真は同社のロゴ。2019年3月、都内で撮影(2024年 ロイター/Yuka Obayashi)
[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日本製鉄が反発し、一時前営業日比3%超高の3745円で高値を付けた。米鉄鋼大手USスチールの141億ドル規模の買収計画を巡り、支出や雇用に関する正式なコミットメントを全米鉄鋼労働組合(USW)に提示したとの報道が材料視されている。
米ブルームバーグ・ニュースによると、このコミットメントには14億ドルの追加設備投資に加え、今回の買収の結果としてレイオフを行わず少なくとも既存の労働協約期間におけるレイオフも行わないことが含まれる。市場では「買収への支持構築が着実に進んでいるようにみえる。きょうはいったんポジティブ材料として素直に反応している」(国内証券ストラテジスト)との声があった。
日本製鉄によるUSスチールの買収を巡っては、11月の米大統領選の候補者となる民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領、両氏ともに反対姿勢を示している。同コミットメントは買収への支持を取り付けるため以前の会合で約束した内容を文書化したものだが、今のところ労組側を説得するには至っていないという。市場では「まだ行方はわからないので、みていかないといけない」(同)との声が出ていた。