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米11月CPI3.1%上昇、伸び鈍化 家賃上昇で前月比は0.1%上昇

2023年12月13日(水)03時26分

11月の米消費者物価指数は前年同月比で3.1%上昇した。昨年6月、ニューヨークで撮影(2023年 ロイター/ Andrew Kelly)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が12日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.1%上昇した。伸びは前月の3.2%から鈍化し、ロイターのまとめた市場予想と一致した。

一方、前月比では0.1%上昇と、市場予想(横ばい)に反し上昇した。10月は横ばいだった。ガソリン価格が下落したものの、家賃の上昇に相殺された。

<コア指数、前年比4.0%上昇>

ガソリンは前月比6.0%下落。10月も5.0%下落していた。食品は0.2%上昇。前月は0.3%上昇だった。

持ち家の帰属家賃は0.5%上昇し、10月の0.4%上昇から加速した。家賃も0.5%上昇した。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.0%上昇と、伸びは前月と並んだ。住居費が前年比6.5%上昇し、コアCPIの前年比上昇分の約70%を占めた。

家賃の上昇を背景にコアCPIは前月比で0.3%上昇。10月は0.2%上昇だった。

PNCフィナンシャルのシニアエコノミスト、カート・ランキン氏は「継続中の住宅価格上昇圧力とインフレ全体に及ぼす大規模な影響は、早期かつ急速な金融政策緩和を求める声がなぜ十分に精査されるべきかの多くを物語っている」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)はインフレの要因がしっかりと、そして実際に抑制されるまで、利下げには着手しないだろう」と述べた。

CPIを受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが早ければ来年3月に利下げを開始するとの見方が後退し、5月に最初の利下げが実施されるとの見方が強まった。

12日から始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれるという見方が優勢。シティグループのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「パウエルFRB議長は利下げはまだ検討されていないという認識を示し続けるだろうが、市場の観測を大幅に後退させることはないだろう」と述べた。

FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は「パウエルFRB議長が、追加利上げの可能性を決定的に排除する準備がまだできておらず、FRBは長期にわたり金利を高水準に維持すると改めて示唆するか注目している」と述べた。

<サービス・インフレ加速、財はデフレ>

家賃が上昇する中、サービス・インフレが粘り強さを増している。サービス価格は0.5%上昇と、前月の0.3%から加速。家賃を除くベースでも0.6%上昇と、前月の0.3%から加速した。

中古車・トラックは前月比1.6%上昇と、6カ月ぶりに上昇した。

医療費は0.6%上昇。自動車保険も上昇した。

一方、衣料品は1.3%下落したほか、リクリエーションや航空運賃なども下落した。

財のデフレは一段と加速し、財価格は0.7%下落。前月は0.4%下落していた。

ロイター
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