中国、フォロワー50万人超の「セルフメディア」に実名表示要求

中国のソーシャルメディア大手の微信(ウィーチャット)や新浪微博(ウェイボ)などは31日、50万人を超えるフォロワーを持つ「セルフメディア」(自媒体)と呼ばれる独立系ニュースアカウントに対して実名情報の表示を求めると発表した。2021年7月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File photo)
[北京 31日 ロイター] - 中国のソーシャルメディア大手の微信(ウィーチャット)や新浪微博(ウェイボ)などは31日、50万人を超えるフォロワーを持つ「セルフメディア」(自媒体)と呼ばれる独立系ニュースアカウントに対して実名情報の表示を求めると発表した。
ウィーチャット、ウェイボの他に中国版「ティックトック」の抖音、検索エンジン大手の百度(バイドゥ)、電子商取引(EC)サイト小紅書、動画共有サイトのビリビリなどが含まれ、それぞれ声明を出して発表した。
セルフメディアは必ずしも政府が承認していない独立系のアカウント。中国の規制当局は近年、国内のサイバースペースを「浄化」するとして取り締まってきた。
実名表示に関しては、自宅の住所や電話番号など個人や組織を特定するセンシティブな情報をインターネット上で暴露する「ドクシング」や、プライバシーを巡って一部利用者の間で懸念が示されていた。
元国営メディア編集者の胡錫進氏は今回の措置について、影響力があるアカウントがより責任のある発言をさせるために必要な措置だと擁護した。
一方、今回の措置でドクシングがより容易になり、プラットフォームが将来的にオンラインユーザーの匿名性をさらに排除することになるとの懸念も出ている。
各プラットフォームは既に対応に動いている。ウェイボの王高飛最高経営責任者(CEO)は2週間前、フォロワー数が50万人未満のアカウントに今回の方針を拡大しないと説明していた。