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楽天Gが続落し一時6%超安、公募増資で最終調整との報道を嫌気

5月16日の株式市場で、楽天グループが続落し、一時5%超安に下落した。写真は2019年9月、都内の楽天本社内に映し出された同社のロゴ(2023年 時事通信)
[東京 16日 ロイター] - 楽天グループが続落し、一時6%超安に下落した。公募増資に向けて最終調整していることが分かったと15日にロイターが報じたことが手掛かりになった。1株利益の希薄化懸念が先行した。前日は9.05%安で取引を終えていた。
市場では「大幅安になったことを受けて、短期筋も動いていそうだ。報道内容というより、値動きだけで取引している様子もある」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が聞かれる。
楽天Gの15日の株価は、11日に発表したKDDIとの提携拡大で見込む設備投資費用の削減効果などを好感する動きが続き、増資関連報道がある前には5%超高となる場面もあり、変動幅は大きくなった。
一方、きょうは朝方の売り一巡後は、やや下げ渋る場面もある。市場では「財務改善への思惑も支えになっているのではないか」(大谷氏)との見方が聞かれる。関係筋2人によれば、楽天Gは調達した資金を携帯電話の基地局整備や社債の償還資金に充てる。
楽天Gは携帯電話事業に参入した2018年以降、4年連続で最終赤字を計上。22年12月期は過去最大となる3728億円の赤字となり、18年12月期に10%を超えていた自己資本比率は4%まで悪化した。
4月の楽天銀行上場で700億円超の利益を計上するほか、保有していた西友株を220億円で売却するが、基地局建設に充てるために発行した社債や劣後債残高は9000億円規模に上り、24年だけで3000億円程度の社債償還を迎える。
楽天はG15日、「報道の内容を含め財務戦略にかかるさまざまな手段を従来より検討している」とした上で、決定した事実はないとのコメントを発表した。