コラム

オバマ「ナイジェリア飛ばし」で新展開

2009年07月27日(月)17時22分

 ヒラリー・クリントン米国務長官が8月上旬にも、ナイジェリアやケニアなどアフリカの数カ国を訪問する予定だと、ダウ・ジョーンズが7月24日に報じた

 報道によれば、バラク・オバマ米大統領が7月上旬に就任後初のアフリカ訪問の地として「ガーナを選んだことで、多くのアフリカ諸国が冷遇されたと感じていた」という。

 なんとも控え目な言い方だ。私が数週間前に論じたように、オバマに素通りされたナイジェリアの感情をより正確に表すには、「怒り」という言葉のほうが適切だろう。アフリカ最大の人口をかかえるナイジェリアにとって、自国の影響下にあるはずの小さな隣国に主役の座を奪われる事態は容認しがたいことだった。

 クリントンの訪問によって、そうした不満も多少は和らぎそうだ。アメリカ駐在のナイジェリア人外交官が、クリントンの来訪を必死でセッティングしたのだろうか。

 それとも、アメリカへの石油供給量第3位の大国の怒りを買うことを、ホワイトハウスが恐れたのだろうか。あるいは、「ナイジェリア飛ばし」騒動が勃発するずっと以前から、クリントンのナイジェリア訪問は決まっていた可能性もある。

 何が真実にせよ、クリントンはナイジェリアが「二の次」の存在でないことを示すために(たとえ実際に「二の次」であったとしても)、一肌脱ぐ必要がありそうだ。


──エリザベス・ディッキンソン
[米国東部時間2009年07月24日(金)15時02分更新]

Reprinted with permission from "FP Passport"24/7/2009. © 2009 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

プロフィール

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

楽天G、楽天証券HDの東証上場方針を取り下げ

ビジネス

経済・物価見通し実現なら政策調整、良い道筋へ努力=

ビジネス

NEC、3月31日の株主に1対5の株式分割

ビジネス

ドイツ銀行、第4四半期は予想以上の減益 コスト削減
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 7
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 9
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story