中国政府、ディーゼルトラック利用半減令 「鉄道アルマゲドン」起きるか
「鉄道アルマゲドン」
中国都市部の大気清浄化対策として生産削減を命じられた企業は、すでに「暗い冬」への備えを進めていた。
今や、多くの企業は、11月1日の期日までに鉄道輸送手段を確保するため、必死の努力を始めている。
中国石油化工(シノペック)<600028.SS>や中国アルミニウム(チャルコ)<601600.SS>など主要国有企業は、鉄道輸送の長期契約を結んでいるため、中小企業の使える枠は限られている。また、多くの工場は、鉄道駅から数百キロ離れた場所に位置している。
また、鉄道輸送が目詰まりを起こすことで、大きな混乱が生じ、必要不可欠な原料が不足したり、企業の製品供給能力に悪影響を与えたりする可能性が懸念されている、とロイターが取材した企業幹部は警鐘を鳴らす。
さらに、鉄道輸送はより高価で、路線によってはより時間がかかる。邢台鋼鉄の幹部は、鉄道を使う場合、1トンあたり最大40元(約680円)輸送費が加算され、10%のコスト上昇につながるという。
「鉄道アルマゲドンのために、原料が十分に届かず、製品輸送が困難になるなら、冬季は減産を強いられるかもしれない」。山東省にあるエン州煤業コークス工場の営業幹部はそう語った。この工場は、年間200万トンのコークスを生産している。
同幹部によると、中国東部の工業と農業の中心地、山東省では、鉄道当局が、主要顧客を対象とした最近の会議で、貨物1トンあたりの輸送料金について距離1キロにつき0.01元の値上げを提案した。
これは、南に約160キロ離れた街への輸送費用が約10%上昇することを意味する。この提案が、省政府に正式に承認申請されたかどうかは明らかになっていない。
「約60キロしか離れていない顧客もある。トラック輸送の方が機動的だし安価だ」と、 邢台鋼鉄のワイヤー子会社の営業幹部は言う。「800キロ離れた浙江省や江蘇省の顧客には、鉄道輸送では1週間かかるが、トラックなら1、2日で済む」