米裁判所、マスク氏訴訟の手続き保留を決定 大統領選に向けた100万ドル配布で
米実業家イーロン・マスク氏(写真)が立ち上げたスーパーPAC(特別政治活動委員会)「アメリカPAC」が大統領選に向けて激戦州の登録有権者に100万ドルを配布する行為の中止を求める訴訟の審問が東部ペンシルベニア州の裁判所で10月31日に開かれた。5月6日、ビバリーヒルズで撮影(2024年 ロイター/David Swanson)
Jack Queen
[フィラデルフィア 31日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏が立ち上げたスーパーPAC(特別政治活動委員会)「アメリカPAC」が大統領選に向けて激戦州の登録有権者に100万ドルを配布する行為の中止を求める訴訟の審問が東部ペンシルベニア州の裁判所で31日に開かれ、アンジェロ・フォグリエッタ判事は訴訟の取り扱いが定まるまで手続きを保留することを決めた。
マスク氏側は、この訴訟を連邦裁判所に移管するよう申し立てていた。出廷を命じられていたマスク氏は欠席した。
フィラデルフィアの司法当局は31日午後、訴訟を州裁判所に戻すように緊急動議を提出した。
11月5日の大統領選を控えて司法当局は今月28日、マスク氏による配布行為の中止を求めて提訴した。司法当局は、マスク氏が「有権者に影響を与えるための違法な宝くじ計画」を企てたと非難している。
共和党候補のトランプ前大統領を支持するマスク氏は審問後、自身が所有する短文投稿サイトXへの投稿で「米国の正義FTW」と書き込んだ。「FTW」は「勝利のための」の略語に当たる
アメリカPACは言論の自由と銃所持の権利へのオンライン署名に応じた人を対象としており、11月5日の投票日まで毎日1人に対して100万ドルを配るとしている。対象は大統領選の結果を左右すると見なされている激戦7州のアリゾナ、ジョージア、ミシガン、ネバダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア、ウィスコンシン各州の登録有権者に限定されている。マスク氏は10月19日にペンシルベニア州ハリスバーグで開催されたアメリカPACの集会で100万ドルの贈呈を始めた。
トランプ氏は大統領選に勝利した場合、政府効率化に向けた委員会を設立してマスク氏をトップに起用すると表明している。