コラム

これでウィンウィン? 金正恩とトランプの損得勘定

2018年06月13日(水)11時15分

Q: 交渉ですか......。今までの大統領は、北朝鮮の具体的な非核化がなければ、金体制を認めず要求にも応じないと言っていたのですが、あなたは相手からの譲歩が何もないまま、カードをほとんど切ってしまったのではないでしょうか?

TRUMP: いやいや、首脳会談ぐらいやらないと、こんな非核化の合意なんて、できるはずがない。

Q: でも、首脳会談を行わないで、相手の政権の権威を認めずに、核開発を放棄してもらった前例があります。そのときは、今回の骨抜きな宣言と違って、史上でもっとも厳しい検証レジームも込みの、具体的かつきめ細かな合意を得られたし、ちゃんと履行してもらっていたのです。

TRUMP: 何の話?

Q: オバマ政権下で成立したイラン核合意の話です。

TRUMP: はっ? あの合意は破棄されたじゃん!

Q: あなたが破棄したんでしょ! しかも、前任が結んだ合意から抜けたことで、アメリカの信頼性が失われたと指摘されています。今回の北朝鮮も、合意を結んでも、大統領が変わったらそれが破棄されると懸念してもおかしくないでしょう?

TRUMP: じゃあ、大統領が変わらないようにしよう。

Q: 独裁者のように権力を握り続ける気ですか?

TRUMP: お~、いい考えだね。

KIM: やり方、教えようか?


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プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)。

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