米、フーシ派に大規模攻撃 商船攻撃に強硬措置

トランプ米大統領は15日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する大規模な軍事攻撃を指示した。紅海やアデン湾などでの商船攻撃への対抗措置で、イランにもフーシ派への支援を直ちに停止するよう警告した。米中央軍提供の動画より。(2025年 ロイター)
Phil Stewart Mohammed Ghobari
[ワシントン/アデン(イエメン) 15日 ロイター] - トランプ米大統領は15日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する大規模な軍事攻撃を指示した。イエメンの首都サヌアや北部では空爆で少なくとも24人が死亡した。トランプ氏は、イランにもフーシ派への支援を直ちに停止するよう警告した。
今回の攻撃は、紅海やアデン湾などでフーシ派が繰り返す商船攻撃への報復措置。中東での軍事作戦としては、第2次トランプ政権発足後で最大となる。
フーシ派は11日、紅海やアデン湾を通過するイスラエル船への攻撃を再開すると表明していた。
トランプ氏は「全てのフーシ・テロリストへ、ここまでだ。きょう攻撃を止めなければならない。止めなければ、今まで見たこともない地獄の雨が降り注ぐだろう!」と自身のソーシャルメディアで警告。「フーシ派による米国船舶への攻撃は許さない。目的を達成するまで、圧倒的な殺傷力を行使する」と投稿した。イランに対しては、フーシへの支援を直ちに停止する必要があると主張し、イランがアメリカを脅すようなことがあれば「全責任を負わせる」と警告した。
イランのアラグチ外相は16日未明、「(米政府に)イランの外交政策を指図する権限はない」とXに投稿。「イスラエルの大量虐殺への支援をやめなさい。イエメン市民の殺害をやめなさい」と主張した。
フーシ派が指揮する保健省によると、イエメンの首都サヌアでは空爆で少なくとも民間人13人が死亡し9人が負傷。フーシ派が運営するアルマシラテレビは、北部サーダ州で子ども4人、女性1人を含む少なくとも11人が死亡し、14人が負傷したと伝えた。同テレビの16日未明の報道では、フーシ派の指導者アブドルマリク・フーシ氏の謁見場所になることが多いサーダ州ダヒャンの発電施設が空爆され、停電が発生した。
<米軍「作戦の始まり」、フーシ派は抗戦の構え>
中東駐留部隊を所管する米軍中央司令部は、15日の空爆をイエメン全土を対象とする大規模な作戦の始まりと説明した。
フーシ派の政治部門は、米軍の攻撃を「戦争犯罪」と非難し、「エスカレーションにはエスカレーションで対応する用意がある」と声明で述べた。
商船への攻撃を繰り返すフーシ派に対しては、バイデン前米政権もフーシ派の能力を低下させるための対策を取っていたが限定的だった。米政府高官は、トランプ氏はより強力な措置を許可しており、攻撃は数日、数週間にも及ぶ可能性があると話した。
米国務省によると、ルビオ長官が15日、ロシアのラブロフ外相にイエメン攻撃を通知した。