プーチンはトランプに「悪役」と思われたくない...停戦に向けた「脅し」にロシアはどう答える?
Ceasefire Hopes

米ウの高官協議は停戦案の合意にこぎ着けた(3月11日、ジッダ) SAUL LOEBーPOOLーREUTERS
<アメリカとウクライナが暫定停戦案で合意したが、ロシアにも譲れない一線が──>
ドナルド・トランプ米大統領といえども、アメリカの利益のためにウクライナを犠牲にするつもりはないようだ。
3月11日にサウジアラビアのジッダで行われたアメリカとウクライナの高官協議は、アメリカがウクライナに軍事的にも外交的にも明確な優位性を与え、ロシアを追い込むという形で幕を閉じた。
協議後に発表された共同声明によると、ウクライナはアメリカが提案したロシアとの30日間の停戦に合意。停戦が長期間延長され、恒久的な平和に向けた交渉につながることが期待されている。
ロシアが停戦案を受け入れても、拒否しても、アメリカのウクライナ支援は直ちに再開される。
トランプは2月28日にホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との首脳会談が悲惨な結末を迎えた後、ウクライナに対する軍事支援と情報共有を一時停止。ウクライナ軍の戦力と士気に打撃を与え始めていた。
決裂したゼレンスキーとの首脳会談に先立ち、アメリカとロシアの高官はウクライナを交えずに、戦争終結に向けた協議を行っていた。当初はトランプとロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナに和平を押し付けようとしているとも見えた。
ゼレンスキーはホワイトハウスでの失態のダメージを修復するために、そして、戦争終結後のウクライナの安定に(ひいては存続に)必要なアメリカとの良好な関係を取り戻すために、高官協議の開催を強く求めていた。