コラム

「YouTubeですら稼げている」時代、元NewsPicks佐々木紀彦氏は映像メディア立ち上げへ

2021年04月12日(月)11時45分
藤野英人、佐々木紀彦

「お金のまなびば!」より

<カリスマ投資家・藤野英人氏と佐々木紀彦氏は「今こそ起業のチャンス」という点で考えが一致。ふたりの対談は、リスクの考え方から動画メディアの可能性へと広がっていった>

ひふみ投信シリーズのファンドマネージャーとして知られる藤野英人氏と、お金や投資、経済について学んでいくYouTubeチャンネル「お金のまなびば!」

今回取り上げる動画「【藤野英人×佐々木紀彦】起業するなら今がチャンス!?チャンスだらけの日本は新たなフェーズへ」では、経済ニュースメディア「NewsPicks」取締役を退任し、起業準備中の佐々木紀彦氏と対談。

新型コロナウイルスは世界の経済に深刻な打撃を与えており、苦境に立たされている経営者も多い。しかし、藤野氏と佐々木氏は「社長になるなら今がチャンス」と口をそろえる。

「時代の変化とともにコロナがやって来たのか、コロナが時代を変えたのかは分からないが、結果的に今までの社会秩序や考え方が激変した。時代が変化しつつある今、これまでの『安定路線』はむしろハイリスク・ローリターンになっている可能性がある」と、藤野氏。

開催が延期になった東京2020オリンピック・パラリンピックを筆頭に、コロナにより予定調和はことごとく壊された。

今や大企業も一生安泰とは言い切れず、ビジネスモデルの転換や改革を迫られている。資本金や会社設備がなくても簡単に起業できる時代になり、ビジネスの「勝ちパターン」が根底から変わった可能性がある、と藤野氏は言う。

「5年後や10年後、個人の起業が常識になる時代がくる。だから、競争率が上がる前の今がチャンス。起業はリスクがありそうに見えるが、大きな借金をしない限りほとんどリスクはない。サラリーマンに戻るなら話は別だが、一回失敗しても、その失敗に価値を付けてくれる人が必ず現れる」

たとえ失敗しても「挑戦したこと」の価値が上がるようになったというわけだ。佐々木氏も、「経営や起業で世の中を変えられる機会が来たという直感があった」と自らの起業理由を話す。

fujino20210412youtube-1-2.jpg

「お金のまなびば!」より

動画メディアは稼げるのか――アメリカ・韓国との決定的な差

新聞をデジタル化し、各界の専門家がコメンテーターとして活躍することで、人々のメディアとの接し方を大きく変えた「NewsPicks」。

初代編集長である佐々木氏は、「ビジネスを語っているのに自分で本格的に経営をしたことがない」というコンプレックスを抱えていたと話す。その彼が次に目指すのは、自らもプレーヤーとなり、"経営のプロ集団"として発信する新しい経済映像メディアだ。

コロナ禍でますます需要が増したYouTubeは、今や新たなメディアとしての地位を築いたといえるが、動画メディアは今後"稼げる"領域になるのだろうか。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)など。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮が短距離ミサイルを発射、日本のEEZ内への飛

ビジネス

株式・債券ファンド、いずれも約120億ドル流入=B

ワールド

中国、総合的な不動産対策発表 地方政府が住宅購入

ビジネス

アングル:米ダウ一時4万ドル台、3万ドルから3年半
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇…

  • 5

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 6

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 7

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 8

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 9

    日鉄のUSスチール買収、米が承認の可能性「ゼロ」─…

  • 10

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story