コラム

「時短ハラスメント(ジタハラ)」が起きる会社2つの特徴

2018年11月22日(木)13時20分

しかし、生産性を上げるには、まず成果を最大化させることが絶対に先です。ROE経営と同じ。分母と分子のどちらに注目するか、に掛かっています。資本なのか利益なのか。労働時間なのか、成果なのか。

成果を上げるために投下したコスト(時間、お金、労力など)に対して、どれだけのリターンを上げたのかが「生産性」の指標です。

時間を減らすことが生産性を上げるための唯一の方法だと勘違いしている人が、世の中どれほど多いことか!

成果を上げるためのコスト――労働時間を安直に減らせば、短期的には生産性が上がりますが、中長期的に見たら間違いなく組織を疲弊させていきます。

「時短ハラスメント(ジタハラ)」は、労働時間を減らして生産性を上げようとする管理者と、成果を上げて生産性を上げようとする現場担当者とのあいだに起こる摩擦が引き起こしていると言えるでしょう。

「時短ハラスメント(ジタハラ)」が起こる2つの特徴

マニュアル化・システム化によって、ベテラン社員と同じような水準の仕事ができるようになる「マニュアルワーカー」は、残念ながらAIやRPAの技術進歩にしたがって、次第に必要とされなくなります。

経験や知識を豊富に取り入れ、熟達することによって仕事の精度が上がるような「ナレッジワーカー」の仕事が、今後は人間に求められていくのです。つまり、「すぐに労働時間を削ることが可能な仕事」など、人間がやる仕事ではなくなっていく、ということです。

したがって安直に労働時間を削れば、副作用が出るのはあたりまえ。社歴・経験の浅い人はいつまで経っても育ちません。会社が必要としている人材像にならないのです。若い人が成長の実感を得ることはなく、「働きがい」を覚えることもなくなっていくことでしょう。

また、世界的に見ても、事業のライフサイクルは過去と比較して明らかに短くなっています。常に新しい事業を開発する力がないと、企業は永続していくことができない時代に突入しています。新規事業も人材と同じ。丁寧に育てていかないと、キチンと花を咲かせることはできません。

したがって、新しい人材が必要とされる企業、新しい事業を起ち上げるのが急務な企業は、「時短ハラスメント(ジタハラ)」が起こりやすいと考えたほうがいいでしょう。

恒常的に労働時間の多い職場はいけませんが、正しく企業を成長させるためには、安易な時短をしないこと。お金と同様、労働時間も大事な「自己資本」だからです。

正しく現場と向き合い、それらの資本を、どこにバランスよく配分するのか、企業にはきめ細かな判断が求められています。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、テキサス州空港の発着禁止を解除 カルテル無人機

ワールド

トランプ氏、USMCA離脱を検討=報道

ビジネス

米雇用創出、86.2万人下方修正 25年3月までの

ワールド

NATO、北極圏プレゼンス強化で新任務 加盟国間の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story