- HOME
- コラム
- 横山信弘のハードワーク思考
- どれほど「時間管理術」を学んでも、長時間労働がなく…
どれほど「時間管理術」を学んでも、長時間労働がなくならない理由
上司から依頼された作業を、タスクに分解して処理するだけの人であれば、これらの小手先のテクニックで時短は可能でしょう。しかし所詮「使われる人」の時間管理術です。「使われる人」ではなく、「使う人」の労働時間を短くしない限り、ホワイトカラー全体の生産性をアップさせることなどできません。
「使う人」が意識すべきことは「タイム」ではなく「プロジェクト」です。「プロジェクトマネジメント」のスキルがないと、本当の意味での時短は実現しない。だからプロの目が必要なのです。
先述した「コスト削減」でいえば、この大プロジェクトの下に、複数の中プロジェクトがあらわれ、その下層にはさらに複数の小プロジェクトがあらわれます。これら小プロジェクトにぶら下がるのが、細かいタスクなのです。
先述したとおり「時間管理術」のテクニックで時間を短くできるのは、細かく分解されたタスクであって、それらをいくら短くしても、プロジェクト全体が正しくマネジメントできていないのであれば、ほとんど意味がありません。
現場に入ってコンサルティングをしていると、何のためにそのプロジェクトをしているのか。何のためにそんな情報システムを導入しているのか。何のためにその議論をしているのか。よくわからないケースを多々目にします。そんな状態で「時短」を声高に叫んでいても、いっこうに労働時間は短くならないでしょう。
「使われる人」の時間管理術より、「使う人」の俯瞰力をアップさせるほうが、長時間労働を撲滅できます。仕事の「やり方」ではなく「あり方」に目を向けて、高い目線で物事を観察する力を身につけましょう。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
この筆者のコラム
駅や交差点で人にぶつかるような人が「部下育成」に向いていない理由 2020.01.29
「働き方」を変えている場合か! 日本がこのまま「衰退途上国」にならないために 2019.12.09
上司の「終活」──人生100年時代の上司論 2019.11.26
「自己肯定感」の低い日本の若者を、どうやる気にさせるのか? 「自己効力感」に着目せよ 2019.10.29
「スーパー台風」と東京五輪で始まる本格テレワーク時代 2019.10.16
ホワイト企業の価値って何? ホワイト企業だからって銀行融資の審査は甘くならない 2019.10.02
深刻な「人手不足」時代に、中小企業が絶対にやってはいけないこと 2019.08.19