コラム

「テレワーク」を生かせる人、生かせない人

2018年06月15日(金)15時45分

移動の最中も仕事をするので長時間働けるが、効率は人によって大きく異なる Geber86-iStock.

<テレワークなら効率が上がって今より早く仕事が終わると思ったら大間違い。自己管理のうまくない人は、会社で集中するほうがよほどはかどる>

働き方改革の一環として「テレワークの推進」があります。柔軟な働き方、多様な働き方を推し進めるうえで欠かせないスタイルです。「テレワーク」のニーズが高くなるのは当然のことでしょう。

さて、テレワークとは、「テレ=離れた場所」「ワーク=働く」を足した造語。インターネットを活用して、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を指しています。「テレワーク=在宅勤務」という表記をよく目にしますが、移動中や、カフェ、サテライトオフィスでの仕事も「テレワーク」と呼びます。

先述したとおり、ニーズが高そうなテレワークですが、2017年に公表された総務省の「通信利用動向調査」によると、企業のテレワーク導入率は13.3%。国交省の「テレワーク人口実態調査」でテレワーカーの割合は7.7%と、数字を見るかぎりでは決して普及しているとは言いがたいのです。

それどころかテレワークを導入している企業数が減っているという調査報告もあります。日本においてテレワークは、一部の特殊な業務にしか適用できないからでしょうか? 

テレワーカーは長時間労働になる?

出張が多い私は、いつも移動中に仕事をしています。新幹線のなか、空港、ホテル、カフェ、自宅......。座るところがあればパソコンを開いて執筆をしたり、メールを書いたりします。駅のホームで立っているとき、顧客先にむかって歩いているときは電話。満員電車で立っているときでも、メモを書いたり、スマホでメールをチェックしたりします。まさに、「スーパーテレワーカー」と言えるでしょう。

人材教育も、いまやテレワークの時代です。研修講師が収録した動画を、仕事の合間に視聴し、研修報告書を提出させる企業が増えています。私自身も、研修動画を作成し、クライアント企業へおさめています。反対に、私自身も動画で研修を受講します。

どこにいようが座っていたらパソコンを開く。立っているときは研修動画を視聴する。歩いていたら電話をする......という生活を送っていると、時間間隔がマヒします。朝から晩まで、どこからどこまで仕事なのか、わからなくなるのです。ただ、私は経営者であり、講演家であり、ビジネス書作家であり、コラムニストという側面があるので、このような働き方になって当然と言えるでしょう。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:変わる消費、百貨店が適応模索 インバウン

ビジネス

世界株式指標、来年半ばまでに約5%上昇へ=シティグ

ビジネス

良品計画、25年8月期の営業益予想を700億円へ上

ビジネス

再送-SBI新生銀行、東京証券取引所への再上場を申
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story