「密輸」中国製ワクチンを打つ日本の富裕層... 自己中だらけでコロナに勝てるの?
人権無視のこうした手段は、できればごめんこうむりたい。かといって、経済に大きな打撃を与える割に、対策として十分とは思えない日本の緊急事態宣言にも疑問を抱かざるを得ない。
それ故、一刻も早いワクチン──それも信頼できるワクチン──の開発と普及が待たれるのである。
私は専門家ではないが、米ファイザー社のワクチンはマイナス70度という超低温で輸送しなければならず、日本での普及にはハードルが高そうだ。中国製ワクチンの一部は不活化ワクチンと呼ばれ、今のところ、効果が持続する期間が短いとみられている。
ワクチンは各国による争奪戦も起きており、他国に頼るのもできれば避けたほうがいいだろう。
だからこそ、やはり待ち望むのは日本製ワクチンだ。ここはぜひとも日本の製薬会社に頑張ってもらいたい。
そのためにも日本の政府と国民、私のような外国籍住民も含めて一丸となり、その開発をサポートする必要があると思う。自分たちだけの会食ルールを作ろうとしたり、「緊急事態」を無視して出歩いたり、自分だけ未承認ワクチンを打ったりするのではなく──。
自己中心的な行動をしている限り、コロナに勝てる日はやってこない。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。
<2021年1月26日号掲載>