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ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む

Amnesty to Kristi Noem: 'Stop Revoking Visas of Foreign Students'

2025年4月24日(木)17時40分
ジュリア・コンリー
元コロンビア大学院生のマフムード・カリル

イスラエル軍のガザ攻撃に抗議する集会を組織して拘束され、国外退去に直面している元コロンビア大学院生のマフムード・カリル(写真は2024年6月) REUTERS/Jeenah Moon

<トランプ政権が、抗議活動や出身国を理由に外国人留学生のビザを次々に取り消しているとして、アムネスティが緊急アクションを呼びかけている>

*This story originally appeared in Common Dreams on Apr. 20, 2025. It is shared here with permission under a Creative Commons (CC BY-NC-ND 3.0) license.

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4月22日、アメリカ合衆国憲法に定められた基本的人権を支持する人々に対し、国土安全保障(DHS)のクリスティ・ノーム長官に書簡を送るよう呼びかけた。トランプ政権が、憲法修正第一条で保障された言論の自由を行使したことを理由に、留学生から滞在資格を奪おうとしているのを止めるためだ。

非営利ニュースサイトのコモン・ドリームズが同日伝えたところによると、移民税関執行局(ICE)は3月、元コロンビア大学でガザ地区に対するイスラエルの攻撃に抗議するデモを組織したマフムード・カリルを拘束し、私服車両に押し込み、妊娠中の妻から何千キロも離れたルイジアナ州の拘留施設に収容した。

マルコ・ルビオ国務長官はカリルが「反ユダヤ主義的な抗議活動や破壊的な行為」に関与したとして国外退去を求めている。この事件を機に、留学生に対する締め付けは一層強まっている。

確認されているだけでも7人の学生がビザを取り消されており、アメリカが支援するイスラエルのガザ攻撃に抗議した少なくとも2人の学生に対しては、滞在資格の剥奪の手続きが進められている。

ホワイトハウスは移民国籍法の条項を根拠に、カリルを含む一部の学生がアメリカの外交政策に脅威になるとして国外退去を主張している。

アムネスティが支持者に提供した手紙のテンプレートにはこう書かれている。「少なくとも1300人の学生がビザを取り消されたことが確認された。その多くは通知すら受けておらず、抗議活動や表現活動にも一切関与していない」

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