「ミャンマー被災者を見捨てるのか?」軍政拒否と支援のジレンマ
THE US MUST CHANGE COURSE ON MYANMAR
トランプ政権は今こそオバマ政権の成功例に学ぶべきだ。まず、軍政と限定的な関わりを持ち人道援助を行うこと。それにより人道危機の悪化を阻止でき、ミャンマー東部の特殊詐欺の拠点の取り締まり強化など治安の改善を後押しできる。
また、広範な経済制裁を個人や組織に的を絞った制裁に切り替える。武力攻撃を繰り返す反政府勢力への軍事援助を打ち切る必要もある。
永続的な和平を実現するには、軍政も含めた全ての当事者と関わる必要があることを認め、地域の主要国と連携して内戦の終結に向けた交渉を仲介すべきだ。
道義的な使命として強引に民主化を押し付けようとすれば、ミャンマーはさらなる混乱のスパイラルに陥り、犯罪集団や麻薬密売組織、そしてアメリカの地政学的な敵対勢力を喜ばせるだけだろう。どちらが賢明な選択かは誰の目にも明らかだ。
ブラマ・チェラニ
BRAHMA CHELLANEY
インドにおける戦略研究・分析の第一人者。インド政策研究センター教授、ロバート・ボッシュ・アカデミー(ドイツ)研究員。『アジアン・ジャガーノート』『水と平和と戦争』など著書多数。

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