イスラエルが空と陸からシリアを攻撃──14年の内戦を経て立ち上がった暫定政府の行方
Israel Is Escalating Its War in Syria

イスラエルが占領するゴラン高原を進むイスラエル軍の戦車 RONEN ZVULUNーREUTERS
<イスラエル軍によるシリア南西部への地上侵攻は70回以上、空爆の回数は30回...暫定政府は穏健でイランの影響力も消えた今、イスラエルが攻勢を強める必然性は全くないが...>
約14年間の内戦を経て、暫定政府の下でようやく国を立て直そうとしているシリアに対し、イスラエルが空と陸両方からの攻勢を強めている。この6週間、イスラエル軍によるシリア南西部への地上侵攻は70回以上を数え、空爆の回数は30回を超えた。
3月25日には71回目のイスラエル軍の地上侵攻が行われ、状況は劇的に悪化した。直後に地元関係者から筆者が直接聞いた話によれば、シリア側の民兵約10人が立ち向かい、コヤ村にイスラエル軍が入るのを阻止しようとして空に向かって発砲したという。
だがイスラエル軍は、民兵が自分たちに向けて発砲してきたと主張。村に戦車砲を撃ち込んだほか空爆を行い、少なくとも6人を死亡させた。
昨年末にシリアのバシャル・アサド大統領の政権が崩壊したことを受け、イスラエルはシリア各地に10日間で600回に上る空爆を行った。シリア全土のほぼ全ての軍事基地や軍事拠点を空から攻撃し、地上侵攻した部隊は1974年に設置された緩衝地帯を占領した。
2月下旬には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相が「シリア南部の完全な非武装化」という新たな目標を明らかにした。また、シリア国内のドルーズ派(イスラム教の一派)を保護する決意を繰り返し口にしている。