東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教育機会の格差
「何人に1人が東大に入るか」という確率で見ると、衝撃的な数値が出てくる。高校生と東大生の数を1学年あたりにすると、それが分かる。高校生の全数を3で割ると100万2724人、東大生の全数を4で割ると3508人。よって全高校生から東大生が出る確率は、286人に1人となる。<表2>は、これを各グループ別に計算したものだ。
東京居住の男子が東大に入れる確率は「77人に1人」であるのに対し、地方居住女子では「1174人に1人」だ。同じ国内とは思えない格差で、地方の女子が東大に入る確率は宝くじ並みと言っていい。
地方では、女子が浪人をして難関大学を目指すのを許容しないとか、高いお金を出して東京に出すのを好まないとか、当人の能力とは別の事情がいろいろ考えられる。女子学生への家賃補助をしているものの、現状はこの通りだ。東大が全てではないが、ライフチャンスが性別や出身地域によって著しく異なることの好例だ。
今後、東京の有力大学では、地方出身の学生に独自の給付奨学金を支給する大学も増えてくるだろう。地方の優秀な若者の略奪というそしりもあるが、国を動かすリーダー層の出自の偏りが是正され、地方創生、地方におけるジェンダー平等にも寄与する可能性があることも、忘れてはいけない。