最新記事
ウクライナ情勢

国連総会、ウクライナと欧州作成の決議案採択...米露など18カ国反対

2025年2月25日(火)09時10分
国連総会

国連総会(193カ国)はロシアの侵攻開始から3年を迎えた24日にウクライナ情勢を巡る特別会合を開き、ウクライナと欧州諸国が中心になって作成した決議案を日本を含む93カ国の賛成多数で採択した。同日撮影(2025年 ロイター/Shannon Stapleton)

国連総会(193カ国)はロシアの侵攻開始から3年を迎えた24日にウクライナ情勢を巡る特別会合を開き、ウクライナと欧州諸国が中心になって作成した決議案を日本を含む93カ国の賛成多数で採択した。

同決議案には米国、ロシア、北朝鮮、イスラエルなど18カ国が反対し、65カ国が棄権。トランプ米政権によるロシアとの和平交渉の働きかけを懸念していた欧州諸国にとって勝利となった。


 

国連総会は米国が提出した決議案の採決も実施。米国案に当初は言及がなかったウクライナの主権と領土保全などに関する文言を欧州諸国が追加することに成功したことを受け、米国は自らが提出した決議案について棄権を余儀なくされた。

米国が作成した決議案は、1)ロシア・ウクライナ紛争での人命の損失を悼み、2)国連の主要目的が国際平和と安全保障の維持と紛争の平和的解決にあることを再確認し、3)迅速な紛争終結と恒久的な平和を求める──という3段落で構成されるものだったが、欧州諸国の修正により、ロシアによるウクライナへの全面侵攻の言及や、国連憲章の基本原則に沿った公正で永続的かつ包括的な平和の必要性や、ウクライナの主権と領土保全に対する国連の支持を巡る言及が追加された。

15カ国で構成する国連安全保障理事会も米国が作成した決議案の採決を実施する。安保理決議案の採択には、少なくとも9カ国が賛成し、拒否権を持つ米国、英国、フランス、ロシア、中国の5カ国の常任理事国が拒否権を行使しない必要がある。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも43人死

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加 ミサイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 9
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 10
    トランプに弱腰の民主党で、怒れる若手が仕掛ける現…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中