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「米軍を率いる資質ゼロ」と言われるヘグセス米国防長官候補、指名公聴会でも気になるのはボスの顔色だけ

2025年1月23日(木)13時09分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

上院軍事委員会のベテランであるジャック・リード上院議員(民主党)は、これまで自身が同委員会で審議した9人の国防長官候補全て──つまり民主党と共和党の両党の候補者全員──の指名に賛成してきたが、今回は反対票を投じると表明している。「あなたは(国防長官にふさわしい)人格と冷静さと能力を欠いている」と、リードはヘグセスに言った。

エリザベス・ウォーレン民主党上院議員は、ヘグセスが昨年6月に行った発言を問題にした。「女性は一切、戦闘に参加するべきでない」という発言である。女性が軍の要職に就くことに国防長官が否定的な態度を取れば、女性が軍を離れたり、そもそも軍に加わることを見送ったりしかねないと、民主党議員たちは指摘した。


もっとも、ヘグセスが説得力のある発言をした場面もあった。例えば、国防総省の官僚体質を改革する必要性について饒舌に語っている。

「私は自分が全てのことに精通しているなどとは思っていない」と認める一幕もあった。「私はこれまでリーダーとして、明確なビジョンを設定し、自分よりも聡明な人たちを登用し、その人たちに権限を与えると同時に責任を持たせ、評価基準を明示することにより、成果を上げてきた」

では、その聡明な人たちにどのような指示を与えるつもりなのか──。イラク戦争中にヘリコプターが撃墜されて両脚を失った元軍人のラダ・ダックワース民主党上院議員が問いただすと、ヘグセスは言葉を濁した。

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