最新記事
ウクライナ戦争

トランプ就任前に少しでもウクライナ領土が欲しい! 捨て身の猛攻でロシア軍の死者は過去最高に

Russia Racing Against Time To Retake Kursk Ahead of Trump 'Ceasefire'

2024年11月13日(水)16時28分
ブレンダン・コール、ジョン・フェン

ウクライナのアナリストで、2014〜2015年に軍勤務経験のあるヴィクトル・コヴァレンコは、本誌にこう語った。「トランプが、ウクライナに対してより柔軟な対応と資源を認めることを期待する。ウクライナが、戦場での勝敗、停戦合意、和平合意、あるいはそのすべてにおいて、優位に立てるようにするためだ」

だがトランプの出方によって、ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領のチームは「どんなシナリオも描けるようオープンでなければならない。核保有国と通常戦争で消耗戦を戦っているというのは、前例のない状況だからだ」

「従来とは異なる解決策が必要になるが、どのような解決策かは、現時点で予想がつかない」とコヴァレンコは付け加えた。

米国の独立系シンクタンク戦争研究所(ISW)は11月11日、クルスクに集結したロシア軍はウクライナ軍の主要前線に猛攻をかけ、スジャ北方にある陣地を奪還してダリノ東部を前進していると発表した。

ウクライナ軍北部作戦管区の報道官ヴァディム・ミスニク大佐によると、ロシア軍は、ウクライナのスームィ州やチェルニヒウ州、ハルキウ州に対しても、戦闘機、ドローン、多連装ロケットシステム(MLRS)を使った地上攻撃を10〜15分間隔というハイペースで実施しているという。

隣国のベラルーシ政府によると、ロシア軍の攻撃の多くはそれでもクルスクの占領地に落下しており、ウクライナ領内の3倍も高密度の攻撃にさらされているという。

ISWによれば、ウクライナ軍はクルスク州でわずかながら前進している。ISWは、同州コレネヴォ近郊のノヴォイヴァノフカ東部での前進を示す、位置情報つきの映像を示した。ロシアと同様、ウクライナの戦いも時間との競争になっているのだ。

ビジネス支援
地域経済やコミュニティを活性化させる「街のお店」...その支援が生み出す、大きな効果とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米10月PPI、前年比2.4%上昇 伸び加速し予想

ビジネス

トランプ氏再選、英インフレへの上振れリスク=マン中

ビジネス

米新規失業保険申請は4000件減の22.7万件 減

ビジネス

中国のJDドットコム、第3四半期売上高が予想に届か
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 5
    NewJeansメンバー全員が事務所に最後通告「ミン・ヒジ…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    世界中で「キモノ」が巻き起こしたセンセーション...…
  • 10
    トランプ就任前に少しでもウクライナ領土が欲しい!…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫ファンはK-POPの「掛け声」に学べ
  • 3
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に突っ込む瞬間映像...カスピ海で初の攻撃
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 8
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 9
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 10
    小児性愛者エプスタイン、23歳の女性は「自分には年…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 8
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 9
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 10
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中