バイデン政権、ウクライナ支援拠出加速へ トランプ氏勝利受け
米ホワイトハウスは、大統領選で勝利を確実にしたトランプ前大統領の就任式までに、使用されずに残っているウクライナ向け軍事支援60億ドル超を迅速に支出する計画を策定している。1日撮影(2024年 ロイター/Nathan Howard)
米ホワイトハウスは、大統領選で勝利を確実にしたトランプ前大統領の就任式までに、使用されずに残っているウクライナ向け軍事支援の資金を迅速に支出する計画だという。複数の関係筋が6日明らかにした。
ある政府高官は「政権はウクライナをできる限り有利な立場にするため、支援を進める計画だ」と述べた。
トランプ氏はバイデン政権のウクライナ支援に批判的で、共和党がホワイトハウスのほか議会両院も支配するとみられる中、支援の先行きに懸念が高まっている。
共和党が多数派を占める下院はバイデン氏の要請から8カ月後となる今年4月、ウクライナへの追加支援をようやく可決した。このうち43億ドルがまだ拠出されていないほか、それ以前に可決された歳出法案の28億ドル、産業界からの兵器購入資金20億ドルも残っている。
ホワイトハウスからコメントは得られていない。
アナリストによると、共和党がホワイトハウスと上下両院のどちらかで多数派を占めれば、特にウクライナが劣勢となった場合に、米国がウクライナ支援を続けるか不透明になるという。
ブルッキングス研究所のスコット・アンダーソン研究員は「いずれ必要になるウクライナへの追加支援を進める時に問題になるだろう」と語った。
トランプ氏は昨年、和平合意にはウクライナが領土を割譲する必要があるかもしれないとロイターに述べたが、ウクライナはこうした案を拒否している。
2024年12月10日号(12月3日発売)は「サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦」特集。地域から地球を救う11のチャレンジとJO1のメンバーが語る「環境のためにできること」
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら