「不安極限」迫る米大統領選、騒乱に身構える有権者たち
ロイターはここ数日、7つの激戦州で50人余りの有権者を取材した。彼らは自分の支持した候補が負けた場合にこの国がどうなるのか、あるいは対立陣営が問題を起こさないか、政治分断がさらに深まるのではないか、といった心配に押しつぶされそうになっている。
有権者の自己防衛手段は宗教、ヨガや水泳、ジムといった体を動かすことなどさまざまだ。ニュースを丹念にチェックする人もいれば、逆にテレビやスマートフォンからの情報を完全に遮断して読書や散歩に没頭する人もいる。
南部ジョージア州マリエッタの住民でハリス氏に投票したリン・ニコルソンさん(72)は「私のスマホがもう投票を終えたと理解できるほど賢ければ良かった。流れてくる政治広告の量は圧倒的だ」と嘆き、そこから逃れようと散歩やガーデニング、写真の撮影などに時間を費やしている。
害虫駆除で生計を立て、トランプ氏支持に傾いている同州カントンのトッド・ハリソンさん(49)は、スポーツのテレビ観戦をやめた。政治広告が溢れかえっているためで「選挙が近づくほど頭がおかしくなってくる」と明かした。
投票日後の混乱懸念
多くの有権者は選挙後、特にトランプ氏が敗北した場合に起こり得る事態への懸念を口にする。恐れられているのは、訴訟が乱発されて多くの裁判が開かれたり、デモや暴力が発生したりするケースだ。
トランプ氏は、民主党が勝つ手段は不正しかないと主張。ハリス氏は、トランプ氏が拙速に勝利宣言すれば異議を申し立てる用意があると表明している。