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荒川河畔の「原住民」⑥

ホームレスたちと河川敷で寿司パーティー、そして「お母さん」と感動の再会をした

2024年10月2日(水)18時25分
文・写真:趙海成

私にとって、お母さんのこの言葉はどんな感謝の言葉よりもずっと重みがある。

お母さんは2019年10月の洪水を身をもって経験したが、その時の洪水は、彼女の住んでいる場所から遠くない所まで増水して止まり、幸運にも災難を逃れた。しかし、いま彼女が住んでいる場所は荒川から10メートルしか離れていない。これが一番心配だ。

お母さんは私からのプレゼントをテントに持って行って置いた後、暖簾の下から手を伸ばしてコップのような瓶を2本差し出した。よく見ると2本とも焼酎だった。彼女はテントを出ると、私に1本を渡し、自分で1本を持ってこう言った。

「今日再会できて、とてもうれしいです! お祝いとして乾杯しましょう!」

お母さんが酒を飲んでから私に何を語ったか。詳細を知りたいのなら、次回をお楽しみに。


※ルポ第7話(10月9日公開予定)に続く。
※ルポ第5話はこちら:50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川のホームレス。彼女が森でしていたことは?


(編集協力:中川弘子)


[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した――在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。

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