北朝鮮からの「援軍」で、ウクライナの戦況はひっくり返るのか...金正恩の思惑と、戦争への影響とは?
North Korea Ups the Stakes
2024年10月31日(木)17時01分
ウクライナは北朝鮮の援軍に苦い顔をしているのか
もちろんだ。北朝鮮は軍需品に加えて、今度は人員まで送り込むわけだから、宣戦布告こそしていないが、事実上の参戦に近い。ウクライナ戦争をアジア(と世界)に広げるような行為を、欧米諸国は許すべきではないと、ゼレンスキーは訴えている。
ウクライナにとって良いニュースは10月22日、EUの欧州議会が、ロシアの凍結資産を活用して、最大350億ユーロ(約5兆7000億円)の融資を決めたことだろう。
ただ、対ウクライナ支援の拡大、ウクライナに供給した武器の用途制限緩和、そしてNATO加盟に向けた具体的な道筋を含むゼレンスキーの勝利計画は、欧米諸国で鈍い反応を得たにすぎなかった。
それだけに、北朝鮮の援軍のために戦況が変わることなど、ウクライナはなんとしてでも避けたいところだ。
北朝鮮のメリットは?
これまでにも北朝鮮は、ロシアに砲弾を供与して食糧援助などの見返りを得てきた。さらに将兵を派遣すれば、大量の死傷者が出るリスクと引き換えに、ロシアからもっと援助を引き出すとともに、世界の舞台で新たな地位を確立できる。軍に貴重な実戦経験を積ませることもできる。