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シンワール殺害で終結は間近か? ガザ戦争の行方とネタニヤフの選択

A Chance for Peace?

2024年10月23日(水)11時30分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

その空白を埋めるように勢力を拡大したヒズボラは、政党として国民議会に議席を獲得したり、精力的な社会福祉活動を展開したりと、レバノン社会に広く深く浸透してきた。ヒズボラのせいでイスラエルの爆撃を受けているとはいえ、レバノンの人々がそう簡単にヒズボラに背を向けることはないだろう。少なくともアラブ諸国や欧米諸国が、レバノン復興を本気で支援する姿勢を示す必要がある。

とはいえ、ここ数週間の攻撃で、ヒズボラは最高指導者のハッサン・ナスララ師とその側近や後継者ら、多くの幹部を失った。また、レバノン軍幹部は、イスラエルのほうが軍事的に優位であることを知っているはずであり、停戦に前向きかもしれない。


もう1つ興味深い事実がある。ナスララは生前、ガザでの戦闘が終息したら、ヒズボラもイスラエルに向けたロケット弾攻撃をやめると言っていた。従って、もしガザの停戦が実現したら、後継者らはナスララのこの発言を理由に、気乗りのしない戦争に終止符を打つかもしれない。

ただ、イスラエルとイランの間で、幅広い衝突が起こる恐れもある。10月1日にイランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したことを受け、イスラエルは既に何らかの報復措置を取ることを決めている。報復は攻撃に「比例」すべきだとするジョー・バイデン米大統領と協議の上で、ネタニヤフは標的を選んだとされる。

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