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朝鮮半島

韓国の拉致被害者家族、北への宣伝ビラ10万枚散布強行へ 緊張高まる非武装地帯近隣の住民は猛反発

2024年10月25日(金)18時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

トラクターでビラ散布を阻止!

そうしたなかでの拉致被害者家族による北朝鮮向けのビラ配布発表には、市民だけではなく地元の自治体も猛反発している。

坡州の市民団体、政党、住民などは「北朝鮮へのビラ散布をきっかけに南北対決が深まり、ゴミ風船や拡声器放送につながって、今では軍事的に対峙する状況にまでいたった。北朝鮮へのビラ散布を止めなければならない」と声明を発表。

とりわけ、非武装地帯に接して民間人出入が統制された区域にある3つの村の住民たちは、ビラ散布を実力阻止することを決定した。
「住民たちはトラクター20台余りを運転し、対北朝鮮ビラ散布行為を阻止することにした」(イ・ワンベ統一村村長)。

地元自治体の京畿道と坡州市もビラ散布を阻止するために動き出した。道は坡州市、金浦市、漣川郡の3市·郡を「危険区域」に設定し、対北朝鮮ビラ散布を禁止する措置を打ち出した。ビラ散布目的で関係者が危険区域に出入りしたり、その他の禁止命令または制限命令に違反した場合、1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金刑に処するという。

朝鮮戦争から70年余が過ぎた今、分断の影響は南北だけに留まらず、韓国国内にも大きな亀裂を作っているようだ。

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