最新記事
米大統領選

トランプ前大統領、移民「ペット食べる」と再び主張...反論に耳貸さず

2024年10月17日(木)14時31分
共和党候補トランプ前大統領

米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は10月16日、フロリダ州マイアミで開かれたヒスパニック(中南米系)の有権者向けのイベントで、オハイオ州の移民がペットを食べていると再び主張した(2024年 ロイター/Marco Bello)

米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は16日、フロリダ州マイアミで開かれたヒスパニック(中南米系)の有権者向けイベントで、オハイオ州の移民がペットを食べていると再び主張した。同州の当局者らはこの主張を否定している。

スペイン語放送ユニビジョンが主催したタウンホールに出席したトランプ氏は、激戦州アリゾナのヒスパニックの有権者から移民がペットを食べていると本当に信じているのかと質問され、「私は報じられたことを言っただけだ。私は報告しているだけだ」と答えた。


 

「新聞」も報じていると述べたが、どの新聞かなどの詳細には触れなかった。

トランプ氏は9月の大統領候補討論会でオハイオ州スプリングフィールドでハイチ移民が住民のペットを盗んで食料にしていると主張。これが波紋を呼び、同市には爆弾予告など脅迫が相次いだ。

オハイオの共和党系を含む当局者らは事実ではないと繰り返し否定している。

大統領選が数週間後に迫る中、トランプ氏は有権者の関心が高い不法移民の問題に関し、過激発言を増やしている。

人口が増えているヒスパニック系からの支持は大統領選で重要となる。一般的にヒスパニック系有権者は民主党を支持してきたが、トランプ陣営は経済的な不満の高まりを背景に特に男性の支持獲得を目指している。

ロイター/イプソスが9月11日から10月7日にかけて実施したの世論調査によると、ヒスパニック系有権者の間ではハリス氏の支持率が47%とトランプ氏の39%を上回っている。

ほとんどの質問かわす

トランプ氏は有権者からの質問のほとんどに直接的な回答を避けた。

タウンホールに参加したメキシコ生まれのカリフォルニア州農業労働者は、トランプ氏が数百万人の不法滞在者を強制送還する計画を実施した場合、誰が農場での重労働を担うのかや食料価格への影響について質問した。

トランプ氏は直接答えず、代わりにアフリカ系とヒスパニック系の米国人が不法移民のせいで職を失っていると主張。また、中南米諸国が精神病院や刑務所から米国に人々を送り込んでいるという根拠のない主張も繰り返した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中