北朝鮮製ミサイルに手を焼くウクライナ、ロシア領内のある兵器庫をドローンで徹底攻撃
Ukraine Goes After Russia's North Korean Arms Stockpiles
北朝鮮はロシアの「兵器工場」と化し、これまでにコンテナ数千個分の武器弾薬をロシアに密輸してきたと、アメリカと韓国当局は述べている。
北朝鮮の武器提供は「非常に悩ましいが、これまで打つ手がなかった」と、ウクライナ国防相情報総局のキーロ・ブダノフ局長は9月に明かした。
北朝鮮の武器弾薬がロシアに搬入されたとの情報が入ると、その数日後には決まって、前線でロシア軍が大規模な攻撃を開始する、とブダノフは言う。「われわれが直面している最悪の問題は、北朝鮮から来る」
西側がウクライナに供与した長距離兵器はロシア領内への攻撃には使えないことになっているが、ウクライナとしては何としてもロシアの兵器庫をたたきたい。
ウクライナ軍は最近、ロシア南部のクラスノダールと北西部のトベリ地方の兵器庫をドローンで攻撃した。ウクライナによれば、クラスノダール地方のチホレツクにある兵器庫は、ロシアの「三大弾薬庫の1つ」で北朝鮮が提供した弾薬も保管されているという。
国連安保理の制裁を受けているにもかかわらず、北朝鮮はロシア向けとみられるミサイル開発を急ピッチで進めている。ウクライナによれば、ロシアは昨年末からたびたび短距離弾道ミサイルKN-23などの北朝鮮製ミサイルをウクライナ領内に撃ち込んできている。
北朝鮮将校がロシアで「戦死」
ウクライナ保安庁は今年2月、ロシアは昨年12月末から20発超の火星11型ミサイル(KN-23とKN-24)をウクライナ領内に発射し、少なくとも20数人の民間人を殺害したと発表した。
ロシアが北朝鮮製ミサイルをウクライナ攻撃に使っているという公開、非公開の情報は山ほどあると、英シンクタンク・国際戦略研究所のフェービアン・ハインズ研究員は今年初め、本誌に語った。
韓国の金龍顕国防相は8日、北朝鮮がウクライナ戦争への介入を一段と深め、自国の兵士をロシアに派遣する可能性があると述べた。
金国防相は国会議員の質問に答えて、「ロシアと北朝鮮は軍事同盟に準ずる相互条約を結んだので、派兵の可能性は非常に高い」と語ったと、韓国メディアが伝えた。ロシアと北朝鮮は軍事協力の強化で合意し、今年6月「包括的戦略パートナーシップ条約を締結している。
ウクライナのメディア、キーウ・ポストは10月4日、匿名のウクライナ情報筋の話として、ウクライナ東部ドネツク州のロシアの実効支配地域で、ウクライナ軍のミサイル攻撃により北朝鮮軍の士官6人が死亡したと伝えた。
韓国の通信社・聯合ニュースの報道によれば、金国防相はこの情報について聞かれ、事実である可能性が高いと述べたという。