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インドネシア「ごり押し」ジョコ政権に憲法裁判所も市民も猛反発...次男出馬のため「年齢」引き下げ要求ほか

2024年8月26日(月)11時07分
アレックス・シャープ
インドネシアで国会の正門を打ち壊そうとするデモ参加者

国会の正門を打ち壊そうとするデモ参加者 FIRDAUS WAJIDIーANADOLU/GETTY IMAGES

<憲法裁判所が8月20日に下した判決2つを無効化する法案をめぐる抗議活動。どのような「ごり押し」法案なのか?>

インドネシアの首都ジャカルタで8月22日、選挙法改正案への抗議活動のさなか、大勢の市民が国会に突入しようとする事件が起きた。

警察はデモ隊に催涙ガスや放水砲を発射。ほかの主要都市でも同様の抗議活動が発生している。


 

国会では同日、憲法裁判所が8月20日に下した判決2つを無効化する法案の承認のため、緊急審議が開かれていた。

1つ目の判決は、地方首長選の被選挙権年齢(30歳以上)の引き下げ要求を退ける内容。要求が行われたのは、ジョコ大統領の29歳の次男カエサンが、11月の地方選に出馬するのを可能にするためだ。

2つ目の判決では、地方首長選の候補者擁立資格について、厳しい条件を課す現行規定の緩和が認められた。これにより、ジョコ政権に批判的なアニス前ジャカルタ特別州知事の再選の道が開けた。

国会はごり押しを図ったが、最終的には改正案承認を延期。採決は次期会期になるため、憲法裁判決が覆されても、11月の地方選には適用されない。

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