「とにかくバイデンよりまし」激戦州ウィスコンシンの有権者に直撃取材...ハリスへの評価は?
HEARTLAND VIEWS
トランプの名前は禁句?
これを機に、シダーバーグだけでなく、オゾーキー全体で民主党の勢いが増していくことをダッソウは願っている。
その助けになりそうなのは、人口動態の変化だ。「昔のようにドイツ系やベルギー系、ルクセンブルク系ばかりではない。それが選挙の結果を変えている」と彼女は言う。
20年大統領選で、僅差とはいえバイデンがシダーバーグを制したことは、左派を大いに勢いづけたと、ダッソウは考えている。「勝利がさらなる勝利につながる」
母の自宅と同じ通りにあるハンバーガー店には、地元共和党の幹部2人が集まっていた。ハリスが民主党の大統領候補になっても、「同じようにやるだけだ」と、地元支部の第1副議長で元チーズ会社重役のリック・スターンハーゲンと、金融機関に勤めるメリッサ・アブラモビッチ第3副議長は声をそろえる。
ダッソウが快活でユーモアたっぷりだったのに対して、共和党幹部はビジネス界出身のお堅い人たちという印象だ。「(民主党政権の)お粗末な政策や提案を強調していく」とスターンハーゲンは言う。「ずっとこの方針でやってきた。劇的な変更が必要だとは思わない」
とはいえ、共和党にかつてのような圧倒的強さがないことを2人は認める。「大学教育を受け、成功したホワイトカラーの人たちが、結婚して子供が生まれたのを機に都会から引っ越してきている」とスターンハーゲンは言う。「それが(選挙結果に)違いをもたらしている」
どちらも共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ前大統領の名前を口にしなかったことに気が付いたのは、2人と別れた後だった。
シダーバーグの軽食店でハッシュドポテトを食べながら、母は、「バイデンに頑張ってほしかった」と語り出した。「ABCの朝の情報番組『ザ・ビュー』を見ていたら、司会者の女性の1人が、『カマラ・ハリスで(トランプに)勝てるのか、とても心配だ』と言っていた。『女性だし、黒人だから』とね」
「でも、今はカマラが大統領候補になったことに興奮している」と、母は気を取り直したように言った。「ただ、(ハリスは)ろくでもないことを言われるでしょうけどね」